プレミアリーグでも「アレ」が流行? 躍進続けるアストン・ビラ、キャプテンが「Tワード」を禁止すると明言

ジョン・マッギンが周囲に「Tワード」を禁止することに[写真:Getty Images]

プロ野球では38年ぶりの日本一に輝いた阪神タイガース。しかし、シーズンを通して「優勝」の二文字を口にすることは御法度とされ、岡田彰布監督が「アレ」と口にしていることから、チームスローガンも「A.R.E.」となっていた。

ファンの間でも「アレ」が浸透し、第40回新語・流行語大賞の年間大賞にも選ばれた「アレ(A.R.E.)だが、プレミアリーグの舞台でも似たような現象が起こっている。

世界最高峰のリーグであるプレミアリーグ。近年はマンチェスター・シティが圧倒的な強さを見せて3連覇中。そこに追随していたのはリバプール、そして昨年はアーセナルが復活を遂げていた。

今シーズンもシティが順調に首位を走っていたが、急降下。16試合を終えて4位に位置。首位はリバプール、2位にアーセナルという状況だ。

トップ6と呼ばれるチームが基本的に上位を占める中、昨シーズンはニューカッスルが最後まで上位に居続けたが、今シーズンは伏兵が登場。それがアストン・ビラだ。

ここまで勝ち点35を獲得して3位に位置。過去には欧州制覇の経験もあり、トップリーグでは7回の優勝を誇るアストン・ビラ。プレミアリーグでは1992-93シーズンの2位が最高位。基本的には中位以下の成績だ。

しかし、ウナイ・エメリ監督就任後は力をつけて昨シーズンは7位でフィニッシュ。そして今季はここまで上位につけている。

最後にリーグ優勝を果たしたのは1980-81シーズンであり、42年間リーグ優勝からは遠ざかっている。阪神よりも離れていることになる。

そのアストン・ビラは、ホームで無類の強さを見せて現在15連勝中。先週はマンチェスター・シティ、アーセナルと昨シーズンの上位2クラブに連勝しその強さは本物だという声があがっている。

しかし、監督や選手たちは冷静。エメリ監督はイギリス『スカイ・スポーツ』に「30〜32節になったらまた話すつもりだ。もし今と同じ状況なら、話せるかもしれない」とコメント。「最初から我々は優勝候補ではない。まだ第16節だ」と「アレ」については口にしないという。

また、キャプテンを務めるジョン・マッギンはより口を閉ざしている。「僕はTワードを禁止する」と、「Titlte」を口にはしないと語り、まさに半身の「アレ」と同じ状況。「まだまだ先は長い」とシーズン半分も過ぎていない中では口にする気はないようだ。

日本では「アレ」を貫き通して、38年も遠ざかっていたものに阪神は手が届いた。リーグ優勝後には、「アレのアレ」と日本一も隠し通した。アストン・ビラが「Tワード」を口にしないまま進み、最後まで上位で争い続けられるのか。注目が集まる。

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