最優秀中継ぎ投手賞・島内颯太郎(広島カープ)あのガッツポーズの真実とチェンジアップの極意を語る

広島カープ史上初の最優秀中継ぎ投手賞を獲得した 島内颯太郎 投手と2023年シーズンをたっぷり振り返ります。

石田充 アナウンサー
ことし、タイトルを獲りました 島内颯太郎 投手です。(1テンポ遅れて拍手)ちょっとチェンジアップぎみに…

広島カープ 島内颯太郎 投手
(笑)

青山高治 キャスター
今の、チェンジアップですか?

石田充 アナウンサー
島内投手といえばチェンジアップですから。

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
完全に惑わされました。

島内颯太郎 投手
はい。ことしはチェンジアップです。

石田充 アナウンサー
ことしの活躍すごかったですね。

天谷宗一郎 さん
本当に島内投手がいなかったら…と思いますし。4月とかは勝ちパターン(登板)ではなかったんですよね。

島内颯太郎 投手
そうですね、最初は違いました。

天谷宗一郎 さん
それでもこのタイトルを獲るところにすごさが…

石田充 アナウンサー
さて、きょうのファッションですけれども注目ポイントは?

島内颯太郎 投手
どこですかね。靴ですか。知り合いのお店で買った靴なんですけど、ちょっと、ぼくの中では奮発しました。

天谷宗一郎 さん
ファッションには興味あるほう?

島内颯太郎 投手
全くないわけではないですけどね。そんなにお金はかけない。

青山高治 キャスター
全体的に黒で統一されて、髪型も含めてかっこいいです。

島内颯太郎 投手
ありがとうございます。

天谷宗一郎 さん
髪型のポイントは?

島内颯太郎 投手
パーマですか。

石田充 アナウンサー
反響はどうですか?

島内颯太郎 投手
反響ですか。みんなにイジられますね。

石田充 アナウンサー
シーズン途中にもちょっとイメージチェンジしましたよね。

島内颯太郎 投手
夏場になって、ちょっと髪の毛がうっとおしくなってきたので、パーマを当てて整えようと思って、球場行ったら(新井貴浩)監督にイジられました。

セ・リーグ最優秀中継ぎ投手賞(初受賞) 62試合 3勝 3敗 2S 39H 42ホールドポイント

石田充 アナウンサー
なんと言っても、ことし、セ・リーグのタイトルを獲りました。

天谷宗一郎 さん
しかもカープで初ですよ。塗り替えた男ですから。

島内颯太郎 投手
いや、本当に開幕当初にしたら出来過ぎかなと思いますけど。1年間、1軍で投げさせてもらったので、結果がついてきてよかったなと思います。

石田充 アナウンサー
62試合って、半分近くの試合で投げているわけですから。しかもタフな場面で。

天谷宗一郎 さん
62試合投げて体の変化ってありましたか?

島内颯太郎 投手
やっぱり夏場はしんどいときがありましたけど、そこはトレーナーさんに見てもらいながらって形でことしはやってきました。

島内颯太郎の2023年シーズン 4/1 今季初登板 初球ホームラン…(ヤクルト戦) 4/20 今季初ホールド(阪神戦) 5/20 島内投手 “ターニングポイント”(DeNA戦) 5/26 回またぎ登板 今季初勝利(ヤクルト戦) 5/28 プロ初セーブ(ヤクルト戦) 8/15 15試合連続ホールド(阪神戦) 8/16 18試合連続無失点投球(阪神戦) 9/18 球団初の38ホールド(中日戦)

石田充 アナウンサー
プロ5年目の島内投手の今シーズンを時系列で振り返ってみようと思います。実は今シーズンの初登板は開幕2戦目のヤクルト戦、1球目を…

島内颯太郎 投手
ホームランされました。

石田充 アナウンサー
…されて、負け投手になっているんですよ。

田村友里 キャスター
そうでしたっけ?

石田充 アナウンサー
その記憶がなくなるぐらい、その後の活躍があるんですけど、当時はどんな思い?

島内颯太郎 投手
マジか…と思いました、本当に。ことしはちょっとぼくの中で覚悟を決めたシーズンだったので、出鼻をくじかれたというか、ちょっとしんどかったですけど、本当に今がどん底だと思って切り替えるしかないなと思って。

石田充 アナウンサー
開幕直後にどん底が来ているわけなんですよね。ただ、そういった中で今季初ホールドがあったりして、ご自身が “ターニングポイント” と振り返ったのが、5月20日のDeNA戦。どんな試合だったんですか?

島内颯太郎 投手
これ、床田(寛樹)さんのあと、投げたんです。ランナーがいる状態で「火消し」で行ったんですけど。あまり、昨年から火消しが得意じゃなかったんですけど、ここでしっかりぼくの、自分のボールを投げ抜くことができたので、あの試合から流れが変わったかなと思います。

石田充 アナウンサー
1つの試合が自信になるんですね。

天谷宗一郎 さん
三振がほしいところでしっかり取り切れたっていうところも自分にとっては自信になりましたよね。

石田充 アナウンサー
そして、タフな場面での登板が続いていくわけなんですが、夏場です。暑い、30℃を超える試合が多い中で15試合連続ホールド。さらにホールドを積み上げながら無失点のゲームを続けました。

島内颯太郎 投手
ここはあんまり、ぼくの中で意識はしてなかったんですけど、後々、知ったことなので。あまり…、何も思っていないです、これに関しては。

青山高治 キャスター
「タイトル、ことし行けるかも」とか思わなかったですか?

島内颯太郎 投手
いや、少しよぎりましたけど、はい(笑)。あまり周りに見せないように…

石田充 アナウンサー
ほぼ毎日、誰かしらメディアが島内投手の練習終わりに声をかけるような雰囲気がこのあたりから続きました。

島内颯太郎 投手
そうですね。そういう話題もちょっと多かったので、自分の中で意識しないようにしていました。

石田充 アナウンサー
そういった中でチームは優勝争いをしたりCS、タフな試合がありました。

天谷宗一郎 さん
(島内投手が)ガッツポーズを初めて…、初めてではないかな。新井監督も言ったガッツポーズの試合がありました。あの試合は? ガッツポーズするイメージがなかったので。

8/15 ノーアウト・2塁3塁のピンチから無失点に抑える(阪神戦)

島内颯太郎 投手
ぼくもあそこまでのガッツポーズはたぶん、プロに入って初めてなんですけど。あの試合前に新井さんから「もう、ここからは負けられない試合が続くから」っていうミーティングがあったので、よりいっそう気持ちが入っていたというか、それで自然に出ました。

天谷宗一郎 さん
ただ、ちょっと気になったのが、ガッツポーズのあと、笑っちゃっていますよね。

島内颯太郎 投手
あの…、ガッツポーズし慣れていなかったので、ガッツポーズするまではよかったんですけど、そこから「やばい。ここからどうすればいいんだろう」って。

天谷宗一郎 さん
ベンチに帰るまでに…(笑)

島内颯太郎 投手
けっこう長いので、あの距離。そこはいつもどおり帽子かぶって…

石田充 アナウンサー
「ガッツ」といえば田村さんですけど、あのガッツポーズはどうですか?

田村友里 キャスター
決まっていました。そんな迷いがそのあとにあったとは知らなかったです(笑)

石田充 アナウンサー
天谷さんがもう1つ気になったことがあります。

天谷宗一郎 さん
9月以降、島内投手が3試合連続で登板した試合ですね。9月1日に2失点、3日に2失点、5日に3失点の3試合のあと、どうやって状態を上げていったのかなと? ファンの方も気になっていると思うんです。それが助言なのか、メンタルなのか、それともトレーニングで克服したのか。

島内颯太郎 投手
9月5日の3失点した試合の後に新井監督から監督室に呼ばれて、そこに(藤井彰人)ヘッドコーチもいたんですけど、黒田博樹 さん(球団アドバイザー)もいて、そのときに「1年間やっていたら、こういうときもあるし、野手にしろピッチャーにしろ、うまくいかないときがあるから、もう何も変えずにそのまま投げろ」っていうふうに言われたので、それがすごく、ぼくの中では残っていますし、そのあと、ちょっと登板が空いたってのもぼくの中では大きかったです。

天谷宗一郎 さん
そのあと、しっかり切り替えて投げられた。今、話を聞いて、新井監督がいて、藤ヘッドがいて、黒田球団アドバイザーがいて、怒られると思わなかったんですか?

島内颯太郎 投手
怒られるとは思わなかったですけど、どういう顔をして、その場にいていいかわかんなかったので。ひたすらへこんでたので、このときは。

天谷宗一郎 さん
けっこう、それで気分が楽になったと?

島内颯太郎 投手
そうですね。助けてもらいました。

石田充 アナウンサー
そんな島内投手ですけど、開幕からの今シーズンのピッチングスタイルというと150キロを超えるストレートとチェンジアップです。開幕前からことしのチェンジアップ、数字的に見てもアナリストの方が「ことしはいいチェンジアップを投げています」って言われていたんです。そのとおり1年間投げてきたわけなんですけれども、自分自身のチェンジアップってどんな特徴があると思われていますか?

島内颯太郎 投手
ぼくが意識しているのは、途中までまっすぐに見えるように軌道をまっすぐに近づけたチェンジアップを意識しています。

天谷宗一郎 さん
ちょっとボールの握りを見せてもらっていいですか?

石田充 アナウンサー
今、画面に出ているのは、ラジオに生出演中の 床田寛樹 投手にさきほど撮らせてもらったチェンジアップの握り方です。島内さんは、かなりはさんでいますね。

島内颯太郎 投手
はい。はさんでいます。

天谷宗一郎 さん
中指と薬指で?

島内颯太郎 投手
しっかりはさみます。

天谷宗一郎 さん
こういうチェンジアップの握りをしているカープの選手、ほかにいます?

島内颯太郎 投手
いや、いないんじゃないですか。あんまり見ないですね。

石田充 アナウンサー
球をはさんだピッチングスタイルでバッターのタイミングをずらしてきたと。本当にストレートとチェンジアップという2球種しかないっていうとドキドキするところもあると思うんですけれども、怖さはなかったですか?

島内颯太郎 投手
もちろん怖さもありましたけど、そこは割り切って、打たれたらしょうがないと思って投げていました。

天谷宗一郎 さん
バッター目線からすると、高めからくるチェンジアップと低めからくるチェンジアップって別物なんです。しっかりと操ったってことですね。

島内颯太郎 投手
そうです。カウントによって投げ分けていました。

石田充 アナウンサー
そんなチェンジアップが1つ、飛躍のポイントになったわけなんですけれども、6年目の来シーズンに向けて意気込みをお願いします。

島内颯太郎 投手
来年もことし同様、チームの中心となって投げられるようがんばっていきます。応援、よろしくお願いします。

(RCC「イマナマ!」カーチカチ!テレビより)

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