台湾人気作家が氷見漫画 藤子Ⓐさんゆかりの地巡る

藤子Ⓐさんのゆかりのスポットを巡るア・レイさん=9月、氷見市潮風ギャラリー

  ●ネット連載に反響

 台湾の人気ウェブ漫画家「A RAY(ア・レイ)」さんが氷見市を題材にした漫画をネット上に投稿し、「まんがのまち」の魅力を発信している。市が漫画を使った訪日客誘致につなげようと作品制作を依頼し、今秋、氷見に約2週間招いた。11月上旬から旅行記が公開されると、同市出身の漫画家・藤子不二雄Ⓐさん(元富山新聞記者)のキャラクターあふれるまちに反響が寄せられている。

  ●市、23日公開 映画上映イベント

 市は23日に市芸術文化館で開く藤子Ⓐさんの人気アニメと実写映画の無料上映会で、漫画の日本語訳版をデジタルサイネージ(電光掲示板)で披露し、来場者に楽しんでもらう。

 ア・レイさんは社会風刺を交えたコミカルな作風が若者に人気の作家で、ネット上で発信力を持つ「インフルエンサー」の一人。昨年藤子Ⓐさんが死去した際、追悼漫画を描いた縁から、市が9月21日~10月4日に氷見に招き、潮風ギャラリーやまんがロードなどⒶさんゆかりの地を訪れた。

 題名は「MANGA HIMI」で、滞在中の体験を時系列でつづる旅行記仕立ての漫画となる。1話10ページほどで、11月からインスタグラムに投稿し、現在第2話まで公開。当初は20ページほどの短いストーリーを予定していたが、ア・レイさんが「描きたいことがいっぱいで収まりきらない」と連載形式に拡大した。

 漫画には、氷見漁港にある忍者ハットリくんの巨大壁画や海越しの立山連峰の絶景など氷見のスポットが次々と登場する。

 滞在初日に林正之市長を表敬した場面では、ア・レイさんが藤子Ⓐさんの作品で1番好きな「まんが道」について語るコマや、市役所に飾られているハットリくん人形と一緒にニンニンポーズを取るコマもあり、まんがのまちへの興奮が伝わる。案内を担当した市職員も描かれている。

 投稿には台湾のフォロワーからコメントが相次ぎ、「ハットリくん大好き」「ニンニン」「富山、高岡も大好き。氷見の話が楽しみ」などと好評だ。

 完結までの話数は未定だが、今月中に第3話が公開予定。市ホームページでの公開も検討しており、市観光交流課の担当者は「市民が氷見の魅力に改めて気付くきっかけにもなればうれしい」と話した。

氷見漁港にある忍者ハットリくんの巨大壁画を描いた1コマ
氷見市役所で林市長を表敬訪問した場面(いずれもア・レイさん提供)

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