シカゴ・マラソン大会中にランナーが子猫を保護!やさしさでつないだ「小さな命のリレー」 米国

レースの途中で見つけた子猫

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ランナーのSarah Bohanさんは、2023年のシカゴ・マラソン大会で個人最高記録が達成できそうなペースで走っていました。しかし彼女がレース途中でとったやさしい行動は、動物保護団体「PAWS Chicago」も絶賛するものでした。

Sarahさんはレースの途中で、コース脇の落ち葉の間から小さな白い子猫が顔を出しているのを見つけました。

子猫をこのままにしておけば、もしかしたら母猫が連れ戻しに来るかもしれませんが、元保護猫を2匹飼っている彼女には、その可能性がとても低いことがわかっていました。そこで記録達成の夢を放棄して、その場に立ち止まったのです。

その子猫を抱きコースを歩いていたところ、ランナー仲間で動物愛護家の友人に出会った彼女は、一緒に観衆に向けて「子猫を引き取ってくれませんか。そうすれば私たちはレースを続けられます」と呼び掛けました。

そんなふたりと出会ったのが、たまたま家族とその場に居合わせたAndrea Maldonadoさんです。

「レース観戦を楽しんでいたのですが、突然、子猫を抱いた女性がわたしに近づいて来たのです」

「子猫を助けて」観客に呼び掛け

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「PAWS Chicago」のInstagramでは、この出来事が次のように紹介されています。

「今回のシカゴ・マラソンには、動物好きなランナー483人が参加し、当団体の資金集めに協力してくれました。42キロのコースのうち、1.6キロの距離を一緒に参加した珍客までいましたよ!

というのも、当団体の支援者として走ったボストン在住のSarah Bohanさんが、レース途中で見つけた野良の子猫を保護したのです。彼女は34キロ付近まで自己最高記録のペースで走っていたのですが、橋の下で痩せて弱った子猫を発見し、立ち止まって抱き上げました。

彼女はそのまま友人のランナーGia Nigroさんとともに1.6キロ歩き、観客に『この子猫を助けてあげて』と呼び掛けたのです。

やさしい女性がこれに応じて、子猫を家族に迎えてくれました。当団体は、感謝の気持ちを込めて、この子猫のために無料で健康診断をいたします。猫を引き取った女性をご存じの方は、どうか伝えてあげてください」

家族にたっぷり愛されて

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Andreaさんは「PAWS Chicago」の申し出を知らされて、さっそく子猫を健康診断に連れていきました。低体重ではありましたが、ワクチン接種とマイクロチップを埋め込んでもらい、ノミ・ダニの治療を受け、獣医から「子猫は健康上の問題はない」とのお墨付きをもらいました。

子猫の名前は「Casper」になりました。Andreaさん一家は夫・Tonyさんと4人の子供たちのほか、2匹の猫と1頭の犬と大所帯ですが、「みんなこの猫に夢中です。もちろんうちの犬もそうですよ」だそうです。

やさしさの「リレー」で、小さな命が守られました。Sarahさんの記録更新は、また次回に期待しましょう。

出典:Chicago Marathon Runner Rescues Stray Kitten During the Race–Bystander Gives it a Home

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