米人気歌手、性的虐待疑惑を受け18ブランドがサイトから撤退  深刻に受け止める社が続出

歌手で音楽プロデューサーのショーン・”ディディ”・コムズ(54)に向けられた性的虐待疑惑を受け、18ものブランドが距離を置く決断を下した。最近、元恋人のキャシー(本名カサンドラ・ヴェントゥーラ)を含む4人の女性から訴訟を受けて、ディディはテレビネットワークであるリヴォルトの会長を辞任していた。さらに自身が最近立ち上げたeコマース・プラットフォームのエンパワー・グローバルとの関係を複数の会社が断ち切ったという。

バッグ、アパレル、アイウェアを扱うハウス・オブ・タクラの創業者アネット・ンジャウは、ローリングストーン誌に語った。「カサンドラ・ヴェントゥーラが訴訟を起こした日に決断されました」「私たちはコームズ氏に対する疑惑を大変深刻に受け止めており、そのような行為は忌まわしく耐え難いものだと考えます。被害者の権利を信じ、たとえ非常に権力を持っている人物に対しても、真実を語る被害者を支援いたします」

高級スキンケアブランドのツリは、エンパワー・グローバルとの関係を「明確に解消する」ことが重要だとし、創業者のアシュリ・グーデロックは、「女性が経営し主導する企業として、私たちは女性に対する虐待について曖昧な領域にとどまることはいたしませんし、今後もそうするでしょう」と語った。

さらに下着会社のヌーディー・システムとノー・ワン・クロズィアースもこの疑惑を知りアカウントを停止した。ノー・ワン・クロズィアースの共同設立者であるレナード・グリエは、「この決断は、かつてはビジネスとエンターテインメント界を牽引していたコムズ氏に対する尊敬から難しかったものの、明らかに正しい選択だと思います」

「私たちのブランドは、性別、民族、年齢などに関係なく、すべての個人が重要であり、尊敬に値するという信念の上に成り立っています。コムズ氏に対する疑惑は、この信念に真っ向から対立するものです。そのため、私たちはこの関係を終わらせることが道義的に避けられないと感じた次第です」

一方で、ディディが2000万ドル(約29億3000万円)以上投資したこのプラットフォームに留まることを選んだ経営者もおり、今年2月までCEOを務めたカディジャ・ロビンソンの「先見の明」を信じ、エンパワー・グローバルの立ち上げのために多くの時間と資金を「準備」に費やしてきたとして、匿名の経営者は「私たちは、カディジャが作り上げたものをサポートしたいのです」とメールで回答している。

毎月35ドルの定額料金を支払い売上の一部をエンパワー・グローバルに渡すこのサイトに登録している160以上のブランドに連絡を取った同誌によると、5ブランドは状況を注視してから決断を下すと答え、9ブランドは脱退の予定はないと回答したという。

申し立てをした4人の女性からの疑惑についてはディディは強硬に否定している。キャシーの件では翌日に条件非公開で和解に達しているが、それは不正行為を認めることを意味するものではないと主張していた。

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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