NEOMマクラーレンXEがタナー・ファウストとエマ・ギルモアの離脱を発表。新ペアは新年早々に発表へ

 ワンメイク電動オフロード選手権エクストリームEに参戦するNEOMマクラーレンXEは、来季2024年にまったく新しいドライバーラインアップを構築することを決め、この12月12日付でタナー・ファウストとエマ・ギルモアのチーム離脱をアナウンス。その候補者は年明けにも発表すると予告されている。

 創設2年目の2022年から新規参入を果たして以来、NEOMマクラーレンXEのレギュラーを務めてきたファウストとギルモアは、参戦初年度の最終戦で2位という最高成績を収め、今季2023年のスコットランドでもその結果を再現した。

「NEOMマクラーレンのような素晴らしいモータースポーツの系譜を持つチームのために、こうしてドライブすることができて光栄だった」と、エクストリーム系スポーツの第一人者として活躍を演じてきたファウスト。

「ヘリテイジ・プログラムによる他の機会に加えて、過去2年間、NEOMマクラーレン・エクストリームEチームとして競技に参加できたことは光栄だった。僕は人生で運転するとは思ってもいなかったクルマをドライブする機会に恵まれた。ウルグアイとスコットランドでの表彰台は大きなハイライトだ。過去2年間、僕に提供してくれた素晴らしいサポートに感謝したいと思うし、チーム全員の幸運を祈っている」

 一方、マクラーレンの歴史上初の女性ドライバーとして契約を結んだギルモアは、この“シーズン3”でも開催されたイタリア・サルディニアのイベントで公式練習中にクラッシュ。最後の3ラウンドを欠場し、タマラ・モリナーロとヘッダ・ホサスが代役を務めていた。

「創業者ブルース・マクラーレンと同じニュージーランド出身の“Kiwi(キウィ)”として、過去2年間NEOMマクラーレン・エクストリームEチームでドライバーを務め、マクラーレン・レーシング初の女性ドライバーとして歴史を刻むことができたのは、信じられないほど特別なことでした」と綴ったギルモア。

「サウジアラビア、チリ、ウルグアイなど、世界でもっとも過酷な場所でレースをし、激戦の表彰台を勝ち獲ることができたのは素晴らしいことだし、チームの素晴らしいサポートと一緒に楽しんだ忘れられないハイライトに感謝している。マクラーレン・レーシングの全員の幸運を祈っています」

2023年のスコットランドでも、チーム史上2回目の2位表彰台を獲得していた

■「彼らの支援は非常に貴重だった」とゲイリー・パフェット

 来季2024年の“シーズン4”でさらに上を目座すべく難しい決断を下したチームは、新たなラインアップを年明け早々にも発表する予定とし、改めてNEOMマクラーレン・エレクトリック・レーシングのマネージングディレクターを務めるイアン・ジェームスは、ともに戦ったふたりに感謝の言葉を述べた。

「エマ(・ギルモア)とタナー(・ファウスト)のふたりと一緒に仕事ができて本当にうれしかった。彼らは信じられないほど才能のあるレーシングドライバーであるだけでなく、素晴らしい人格者でもあり、毎週のレース週末に参加するのが楽しみだった」と続けたジェームス。

「2年前にマクラーレン・レーシングがこのチャンピオンシップに参加して以来、チームにとってそれは急勾配の学習曲線と困難な旅だった」

「両ドライバーは開発プロセスの重要な部分を占めており、チームとともに成長してきた。レースの結果は、我々がどれだけ到達したかをつねに反映しているわけではないが、エマとタナーの双方がチームの将来の成功に大きく貢献してくれた」

「チームの一員として彼らとの旅を経験できたことは幸運だと感じているし、彼らの将来も楽しみにしている」

 同じくスポーティングディレクターのゲイリー・パフェットも「チームを代表して、エマとタナーの過去2年間の素晴らしい仕事に感謝したい」と付け加えた。

「彼らのサポートにより、我々はチャンピオンシップで強力な基盤を確立し、途中ウルグアイとスコットランドで2回の『P2』フィニッシュを確保した。活動してきたなかで、いくつかの課題に直面したことは周知の事実だが、彼らの支援は非常に貴重であり、チーム全員が非常に感謝している。我々としても彼らの今後の幸運を祈っている」

この離脱表明により、2024年は多くのドライバー移籍が予想され、慌ただしいオフシーズンとなりそうだ

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