高校受験もレースも…国内外駆け巡る中学生ドライバー・蓮田の鈴木さん 夢は「一流のレーシングドライバー」

全日本選手権でチャンピオンに輝いた鈴木恵武さん(本人提供)

 埼玉県蓮田市に住む中学生でレーシングカートドライバーの鈴木恵武(めぐむ)さん(14)が日本自動車連盟が運営するJAF全日本カート選手権でシリーズチャンピオンに輝いた。レーシングカートでの実績は最高峰のF1ドライバーはじめ多くのカーレーサーへの登竜門。鈴木さんは将来プロドライバーになる夢を追いかけている。

 鈴木さんは同市立黒浜西中の3年生。父真琴さんの影響で、小学校5年の頃からカートに親しみキッズクラスから大会に出場。クラスを上げながら、実績を積んだ。

 レーシングカートは、フレームがむき出し、規定に沿ったエンジンで走行する競技用車両を使用。120~130キロものスピードで走る車両をミスなく操作する高度な技術が必要とされる。年齢や車体の仕様、ライセンスなどで細かくクラス分けされている。

 鈴木さんは昨年、世界大会に出場。欧州で各国の代表が集うレースに参戦した。予選は通過したが、ファイナルでは苦しい結果に。鈴木さんは「経験値の差がある。(海外の選手は)とてもうまい」と世界の壁の高さを痛感した。

 今シーズンは4月から開かれた全日本カート選手権で通算173ポイント、2位に9ポイント差をつけ見事優勝した。「目標にしていた結果が取れてうれしい」と笑顔を見せた。

 週末はレースのために国内を駆け巡る。一方で普段は高校入試を控えた受験生。大会参加のため、学校を休む機会も多い。車中や滞在先でも、授業に遅れないよう努力しているという。

 今後はカートから四輪のレースに参加ができる限定Aライセンスの取得を目指す。鈴木さんは「将来は国内海外問わず一流のレーシングドライバーになりたい。速く走れるように努力していきたい」と抱負を述べた。

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