美しいパリの朝焼けの中、憧れの男性とランニング 「Winter boy」本編映像

クリストフ・オノレ監督の半自伝的な映画「Winter boy」(公開中)から、本編映像の一部が公開された。

映像は、パリで印象に残っている出来事を独白するリュカから始まる。思いを寄せるリリオのそばで寝たいと、ささやかな言い訳を用意してこっそりとリリオの部屋で眠るリュカ。目を覚ますと、リュカはリリオからランニングに誘われる。シルヴィ・ヴァルタンの「あなたのとりこ」がBGMとして流れるなか、朝焼けのパリの街並みを、リュカは憧れの男性と走り抜けてゆく。

クリストフ・オノレ監督が『この映画の主題は「悲劇の中に、喜びを見つけること」』と語る通り、「あなたのとりこ」の歌詞“涙のあとには喜び 冬が過ぎれば花の季節 すべて終わったと思えても 最後は愛が勝つ”が印象的な映像となっている。

「Winter boy」は、思春期の恋愛と父の死による喪失と再生を描いた作品。冬のある夜、17歳のリュカは、寄宿舎からアルプスの麓にある家に連れ戻される。父親が事故で急死したのだ。大きな悲しみと喪失感を抱えるリュカ。葬儀の後、はじめて訪れたパリで、兄の同居人で年上のアーティストであるリリオと出会う。優しいリリオにリュカは心惹かれるが、彼にはリュカに知られたくない秘密があった。そして、パリでの刺激的な日々が、リュカの心に新たな嵐を巻き起こす。

監督は、26歳で作家デビューし、自身のセクシャリティやパーソナリティを、強い信念のもと真正面から表現してきたクリストフ・オノレ。主人公リュカを演じたのは、イレーヌ・ジャコブを母に持つポール・キルシェ。“新たなスター誕生”とメディアからも称賛され、第70回サン・セバスティアン国際映画祭では主演男優賞を受賞した。リュカの母親役を、「トリコロール/青の愛」「真実」などのジュリエット・ビノシュが務めている。

【作品情報】
Winter boy
2023年12月8日(金)よりシネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
配給:セテラ・インターナショナル
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