裏金問題に怒りの声も 政治資金パーティーは必要?何のために?「キックバック自体はきちんと記載してあれば問題ない」

自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題、この問題について街の人の声を聞きました。

(60代男性会社員)「怒りとあきれ。庶民の生活が苦しい中(政治家には)自ら律して政治してほしい」
(20代男性看護師)「不快な気持ちになる」
(60代女性パート従業員)「金額は、きちんと載せないといけない。我々が税金を申告しないと、後になって大変なことになるのと一緒」

その一方で…。
(80代女性・無職)「いろいろとパーティーがあるとか、そういう話は聞いていたが、裏にそんな話(キックバック)があるとは全然知らなかった。本当に全くわからない世界」

「パーティ券」に「政治資金」など、一体何が問題なのか正直わからないという声も。そこで専門家に聞きました。

政治資金パーティーは必要?何のために開かれる?

(愛知学院大学 森正教授)
「(Q:政治資金パーティーは必要?何のため?)例えば秘書の方・事務所の方など、どうしても必要経費がかかる。政治活動を続けていくためには、いわゆる一般の方、もしくは企業の方からパーティー券を買ってもらう」

「政治資金パーティ」はその名の通り、政治家や派閥などが政治活動の資金を集めるためのイベント。

「パーティ券」の相場は1枚2万円程度だといいます。

会場費や飲食代などの経費を差し引いたお金を「政治資金」として蓄えてOKという仕組みになっています。

派閥主催の政治資金パーティでは、資金を集めるために派閥から議員に対して「販売ノルマ」が課される場合が多いと聞きますが…。

(愛知学院大学 森正教授)
「元々のノルマ分を超えてパーティー券をさばいた議員に対しては、いわゆる超過分を派閥が、ある意味『頑張ったご褒美』というわけではないが、キックバックする。キックバック自体は、きちんと記載がしてあれば問題はない」

では今回、問題となっているのは何?

(愛知学院大学 森正教授)
「キックバックした金額を派閥側さらには政治家側が記載をしていない。記録をしていないということになりますと、お金の流れが見えない。これが、いわゆる政治資金規正法の違反」

ノルマを超えたお金が議員にキックバックされ、その額が政治資金収支報告書に記されていなかった。

これが「裏金」になっているのでは?という疑惑が出ているわけです。

自民党最大派閥の安倍派、二階派だけでなく岸田派にも収支報告書に額が記載されていなかった疑いが出てきていますが。

(岸田文雄総理)
「修正が必要ならば適切に対応することを指示している」

では「修正」すればいい問題なのでしょうか?

(愛知学院大学 森正教授)
「われわれ一般の人が税務申告で『数千万の額を忘れました』と言うことが、果たして税務署が許してくれるか。それは、あまりにも非現実的な話。そこは何か意図があったのではないかということを疑われる」

“政治とカネの問題” 議員たちの歯切れの悪さに不信感も

さらに、法律の専門家はこう語ります…。

(OFFICEシンカイ 新海聡弁護士)
「政治団体が収支報告書で収入を記載していないという問題がある。政治団体の会計責任者が責任を問われる。議員の責任はどうなのかというと監督義務違反。もう一つは裏金を自分の政治活動に使っている。所得になりますから所得税法の違反、脱税。政治資金規正法は政治の腐敗を防止する。賄賂であってはいけない」

新海弁護士は再発防止のための仕組み作りも必要だと言います。

(OFFICEシンカイ 新海聡弁護士)
「収支報告書は見にくい。わかりやすい形で誰もが見ることができるような、インターネットで全てが公開されるなど。制度設計もしていく必要がある」

またしても政治と金の問題。この不透明な金の流れと議員たちの歯切れの悪さ…。
国民の政治への不信が日に日に大きくなっています。

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