仲間の「更迭」に言葉少な 石川県選出国会議員 安倍派裏金問題

参院本会議に臨む世耕氏(右)と岡田氏

  ●「推移見守るしかない」

 自民党安倍派の政治資金パーティー裏金問題を巡り、岸田文雄首相が閣僚、党役員人事を行う意向を表明した13日、同派所属の石川県選出国会議員4氏は、自身に近い閣僚や党幹部ら仲間が事実上の更迭となり、臨時国会最終盤に吹き荒れた「逆風」に表情を曇らせた。それぞれ「冷静に事態の推移を見守るしかない」と言葉少なで、揺れる派閥がどこへ向かうのか、その行方に気をもんだ。

 13日、安倍派の世耕弘成参院幹事長が辞任の意向を固めたと報道され、各議員は真偽の確認に追われた。幹事長代行として世耕氏を支えてきた岡田直樹参院議員は、この日の本会議で隣に座る世耕氏と会話する姿も見られた。北國新聞社の取材に「世耕氏は報道を否定していると聞いた。私は引き続き与えられた職責を果たすことを考えたい」と言葉を選んだ。

 世耕氏は、参院安倍派「清風会」の会長を務め、派閥に属する参院議員を象徴する存在だ。結束は固いとされ、宮本周司参院議員は「世耕さんを中心に参院自民がまとまっていた。辞任には複雑な思いがある」と肩を落とした。

  ●辞任報道に「残念」

 党執行部では、萩生田光一政調会長が14日にも辞表を提出する。

 9月の内閣改造で、副大臣経験者が務めることが多い政調会の国土交通部会長に就いた佐々木紀衆院議員。このポストに引き入れた萩生田氏が役職を追われることになり「萩生田さんの下で政策を進めたかった。残念な気持ちでいっぱいだ」と語った。

 岸田首相は安倍派の政務官を全員交代させるとみられていたが、反発もあって大半が続投する方向となった。現在、県選出で唯一、政府に入る小森卓郎総務政務官は「現在進行形で仕事は続いている」とし、自身の去就が定まらない中でも公務に全力を尽くす考えを強調した。

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