「1型糖尿病」を正しく知って!小学生が奮闘中 WBC元日本代表選手との交流も 同じ病気の子と出会えてつながれたことが安心感に【現場から】

糖尿病というと大人がかかる病気だと思われがちですが、子どもが多く発症するのが「1型糖尿病」です。生活習慣ではなく、風邪などが原因で突然、発症すると言われていて、国内の15歳以下の患者の数は約2000人と比較的患者数が少なく、あまり知られていない病気です。

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静岡県内の「1型糖尿病」患者の小学生とその家族がこの病気について正しく知ってもらおうと患者同士を繋げる活動をしています。

小学4年生の吉田充汰くん(10)です。充汰くんは、すい臓の血糖値を一定に保つホルモン「インスリン」が出なくなる1型糖尿病です。

<吉田充汰くん>
「いっぱい食べる」

食事の前に取り出したのは血糖値の測定器。充汰くんは1日に10回以上血糖値を測定する必要があります。

<吉田充汰くん>
「血糖値202だって。ちょっと高い」

さらに、おやつの後など1日5回、血糖値を下げるインスリン注射を打ちます。

発症したのは5年前。家族は、充汰くんの病気とどう向き合っていいかわからなかったと振り返ります。

<父・典一さん>
「何を食べたあとどうする、注射いくつとか、どうしようどうしようとか。血糖下がったときに」

国内の糖尿病患者は、予備軍も合わせると約2000万人いるといわれていますが、そのうちの「1型糖尿病」患者は10万人程度。15歳以下の患者となると全国で2000人程度です。

<国立国際医療研究センター 大杉満糖尿病情報センター長>
「(子どもの)発症としては、年間10万人あたり1.5人から2.5人程度と言われていて、まず近くに同じような状況を抱えている人に会うことがない」

そこで母親の友佳さんたちは、患者同士がつながれる場所を作りました。患者同士がつながったことで生活に必要な情報も共有できました。

充汰くんが血糖値が低いときに食べるアメやラムネなどは、1型糖尿病患者の先輩に教えてもらったものです。

<母・友佳さん>
「実際に、顔を合わせて話を聞くと心強くなる」

大阪で11月11日に開かれた1型糖尿病患者や家族の交流会です。ここでも全国から集まった患者と家族が悩みや情報を共有しました。企画したのは元阪神タイガースの投手で1型糖尿病患者の岩田稔さん。

「1型糖尿病患者の星になる」と各地で啓発活動を続け充汰(しゅうた)くんとも、2022年、出会いました。

<元阪神タイガース 岩田稔さん>
「相談相手がいないことが事実だと思うので、近くにこういう方がいるんだということで安心感を持ってもらえる、じゃあ大丈夫と思ってもらえる取り組みをしたかった」

交流会は子どもたちにとっても必要な場所です。

<参加者・子ども>
「え、待って500?」「500も出てる」
<母親>
「同い年みたいで。初めてなので、自分の子が同じ病気の子と出会うの。楽しそうでよかったです」

<充汰くんの母・友佳さん>
「こうやって出会えたこと、つながれたことは安心感につながるんだなと自分自身も実感したし、感謝の気持ちでいっぱい」

北欧では、小児の糖尿病患者が年間10万人当たり20人から30人発症してると言われていますが日本では、その30分の1といわれています。

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