長崎県内の景況 2期ぶり改善 緩やかな回復傾向継続 日銀長崎支店

 日銀長崎支店が13日に発表した12月の長崎県内企業短期経済観測調査(短観)は、全産業の景況感を示す業況判断指数(DI)がプラス14となり、2期ぶりに改善した。9月の前回調査は横ばいだったが、再び2ポイント上昇し、緩やかな回復傾向が続いている。
 業況判断DIは「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた数値。134社(製造業45、非製造業89)を対象に11月9日~12月12日に調査し、全社が回答した。
 製造業は前回のマイナス6から0に上昇。値上げの浸透や原材料価格上昇の一服感から窯業・土石製品、食料品、電気機械で改善した他、造船の一時的な受注増により汎用(はんよう)機械でも改善が見られた。
 非製造業は、プラス20と前回より3ポイント下がったが、引き続き高い水準。対個人サービス、宿泊・飲食サービスでの旅行需要の落ち着きが影響した。
 「過剰」から「不足」を差し引いた雇用人員判断DIはマイナス45で、前回より6ポイントの「不足」超。バブル経済末期の1991年3月並みの水準で、人手不足感が続いている。
 「上昇」から「下落」を引いた仕入れ価格判断DIと販売価格判断DIはいずれも上昇が落ち着いてきている。
 来年3月までの先行きは、業況判断DIがプラス10で悪化の見通し。黒住卓司支店長は「先行きの不透明感を反映し、慎重な見方をする企業があった」と分析。人手不足感が強まる一方、経常利益は前年度を上回る見通しであることから「来年度も、少なくとも本年度並みの賃上げが期待できる」と述べた。

© 株式会社長崎新聞社