辺野古土砂投入、開始から5年 南側の埋め立て、ほぼ完了

土砂投入から5年となる沖縄県名護市辺野古の沖合で、沿岸部の埋め立てに抗議する反対派のカヌー=14日午前

 政府が、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先としている名護市辺野古の沿岸部南側で土砂投入を始め、14日で5年となった。県は移設反対の立場を貫いているが、南側の埋め立てはほぼ終了した。軟弱地盤がある大浦湾側の着工に向け、政府が地盤改良工事の設計変更承認を求めた代執行訴訟の判決は20日に迫っている。

 14日午前10時前、晴天の下、移設反対の市民ら約60人が約40隻のカヌーやボートに乗り込んだ。埋め立て海域近くの海上で「代執行NO」「辺野古の海に土砂を入れるな」と書かれた横断幕などを掲げ、「沖縄の民意をつぶすな」とシュプレヒコールを上げた。

 カヌーに乗った南城市の教育関係者安里邦夫さん(51)は「大浦湾への土砂投入を防ぎたい一心で駆け付けた。クマノミやサンゴの生きる美ら海を守りたいだけだ」と強い口調で訴えた。

 カヌーが立ち入りを制限された区域に入り、周囲で警戒していた海上保安官が海に飛び込んで制止する場面もあった。

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