IPO資金調達額は過去22年最低

香港の新規株式公開(IPO)市場は年末にかけて若干持ち直したが、通期の業績は依然として過去約20年間で最悪となった。12月12日付香港各紙によると、会計事務所デロイトは、2023年に香港では新たに65銘柄が上場し、調達資金はわずか458億ドルにとどまり、前年比54%減、2001年以降で最低となる見込みだ。世界ランキングでは昨年の4位から6位に後退し、インドより下となる。デロイト・チャイナ・サウスチャイナのマネジングパートナーである欧振興氏は、2024年には多くの大型新規株を含む80銘柄が香港で新規上場し、調達総額は1000億ドルに達すると予想している。これは同業のアーンスト・アンド・ヤングが予想した500億ドルの2倍である。米国の金利上昇の頭打ちと欧米の資金再配置の恩恵を受けて、香港はIPO資金調達額で世界トップ5に返り咲く可能性があると指摘した。

デロイトは、今年第4四半期には21銘柄が新規上場し、件数、資金調達額ともに今年最高の四半期になると予測している。しかし今年の香港では大型新規株、特にニューエコノミー株が不足している。通年では、2つの大型新規株が伝統経済由来であるのに対し、ニューエコノミーの新規株は26株のみで、調達額は195億ドル、それぞれ前年比43%減、58%減と大幅に減少した。

デロイト中国資本市場サービス部の華南区(香港)上場主幹の呂志宏氏は、来年発行される約80銘柄の新株と、今年の新株の平均調達額約7億ドルを踏まえると、すでに500億ドルの資金調達額となり、ほかにも約40億~50億米ドルを調達する自動車用バッテリー会社など、大型の新株も多数見込まれていると指摘。このため来年の新株は1000億ドルを調達し、今年と比べてほぼ2.2倍に増加するとの予想を示した。

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