三重県志摩市の漁港でカタボシイワシと呼ばれる小魚の死骸が大量に浮かびました。なぜ、これほど大量の小魚が打ち上げられたのでしょうか?
(中道陸平記者)
「志摩市の波切漁港です。海面は白い膜のようなもので覆われていますが、これ1つ1つが小魚の死骸なんです。辺りには腐敗臭も漂っています」
志摩市大王町の波切漁港で、海面を覆うほど大量に浮かんでいるのは、カタボシイワシという小魚の死骸です。
現時点でその量は30トンから40トンほどと見られていますが、海の中から次々と浮かび上がってくるため、志摩市によると今後100トンほどにまで増える見込みだということです。
(地元の漁師)
「くさい、くさい。きのう(13日)から死んで浮いていたからね」
14日は朝から漁業関係者らが回収作業に追われていましたが、いったい、なぜこれだけ大量に打ち上げられたのでしょうか?
(地元の漁師)
「ブリなどが追い回すとみんな港内に入ってくる」
地元の漁師らによりますと、ブリなどの魚に追われて湾内に迷い込んだカタボシイワシが、港の一番奥で逃げ場をなくして酸欠になり、死んだとみられるということです。また、こんな影響も…
(地元の漁師)
「伊勢エビなんかも全部だめ。何もかもだめ」
海中の酸素が不足したことで、網の中で生け捕りにしていた伊勢エビなども死んでしまったということです。
(志摩市・橋爪政吉市長)
「全部陸にあげた上で、一時保管場所に保管してその後処理する」
志摩市では、回収した小魚の一部を肥料の原料として買い取ってもらうことにしていますが、今後も打ち上げられる数が増え続ける見通しのため、買い取ってもらえない分をどう処理するかについては、今後、協議の上で決めていくとしています。