鹿沼市、工事費未払い問題 市議会で職員対応に批判相次ぐ 

鹿沼市役所

 【鹿沼】2019年の台風19号に関わる災害復旧事業で市が発注した農地復旧工事費8675万7千円が未払いになっている問題で、関連予算などを審議する市議会産業建設常任委員会(8人)が14日開かれ、委員から当該部局の職員や市執行部の対応について厳しい指摘が相次いだ。

 問題の原因について市経済部は「想定外の被災で追加工事が増え、工事数量の特定が難しかった。口頭発注で契約書作成が遅れ、その後の事務手続きが進まなかった」と説明。今年3月の発覚から、市長への報告が5月、議会への説明が11月になった点は「未精算金額の確定など事実確認や報告資料作成に時間がかかった」と釈明した。

 委員からは「予算がないなら追加補正をするのは当たり前。なぜ(速やかに)やらなかったのか」「市長や議会に対して、もっと早く情報共有すべきだった」などと疑問の声が続出した。遅延損害金の513万5300円について「市民の血税で払うべきではない」との意見も出た。

 質疑後の採決では、未払い工事費を含む本年度一般会計補正予算と遅延損害金額決定の議案2件について、この日の他の議案も含め全ての採決を欠席した1人に加えて委員2人が退席。委員長を除く4人の全会一致で原案通り可とすることを決めた。

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