三陸鉄道、過去最大の赤字 9月から改善も修繕費かさむ

大船渡線を初めて運行する三陸鉄道の車両=2023年11月23日撮影

 三陸鉄道(宮古市、石川義晃社長)は14日の取締役会で、2023年度決算の経常損失が7億1271万円となる見通しを示した。9月時点から631万円改善したものの、過去最大の赤字。物価高の影響で車両や線路などの修繕費がかさみ、厳しい経営が続く。

 経常損失は当初計画比で6874万円拡大し、過去最大の赤字だった21年度の6億9015万円を上回る見込み。燃料高のほか、修繕費を前年度比27.3%増の2億6787万円としたことなどが影響した。岩手県と沿岸市町村からの交付金を含めた当期損失は3210万円の見通し。

 新型コロナウイルスの5類移行に伴い、運賃収入は同10.7%増の3億3554万円。4~10月の乗車人員は、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の再放送効果で宮古-久慈間が好調だったほか、花巻空港発着の台湾便再開などを追い風に前年度同期比3.9%増えた。

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