【朝日杯FS/追い切り診断】重賞ウイナーがまさかの……辛口「B」評価 「最終追いの速い時計は誤算か」

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■シュトラウス

【中間調整】6月の東京新馬は不良馬場を物ともせず、2着馬に9馬身差、3着馬はさらに3馬身差と圧巻のデビューV。続くサウジアラビアRCは折り合いを欠き、ゴンバデカーブース、ボンドガールと牡牝の横綱クラスに遅れ3着に敗退。しかし前走・東京スポーツ杯2歳Sは好位抜け出しの危なげないレースぶりで重賞初制覇となり、GIの舞台へ駒を進めた。

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中間はノーザンファーム天栄で調整後、12月6日に美浦へ帰厩。翌7日は美浦坂路で5F61秒7-1F15秒1と馬ながらかなり軽めに調整。8日は課題のコントロール面を教育するかのように、鞍上・黛弘人騎手(レースはT.マーカンド騎手)を背に美浦Wコース6F80秒7(馬なり)と長めに追われたが、帰厩後の中間メニューは至って軽めの内容に終始した。

【最終追い切り】1週前と同じく黛騎手を背に、美浦坂路4F50秒4-12秒7(馬なり)をマーク。古馬1勝クラスを1秒以上追走し、一杯に追われる相手をラスト2F手前で楽々と抜き去った。4F50秒4は自己ベストであり同日の一番時計、しかも新装された美浦坂路の最速タイとかなり速い時計が出た。ただしラスト2Fは12秒4-12秒7という失速ラップには不満が残る。

【見解】そもそも東京スポーツ杯2歳Sを使い芝1800mをクリアした時点では、陣営は当初、暮れのホープフルSや翌春のクラシックを見据えていたのではないか。前向きすぎる気性の馬が中3週、10日競馬と間隔が詰まったローテ。また、帰厩後のゆったりした内容は同馬の気性面を考慮したメニューのはずだが、最終追いの速い時計は想定外に思えてならず。鞍上・マーカンド騎手がぶっつけ本番なのも気がかりで、ローテや調整内容、臨戦態勢がどうもしっくりこない。マイル戦ならポテンシャルの高さでカバーできるかもしれないが、少なくとも万全とは言い難い。

総合評価「B」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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