【朝日杯FS/追い切り診断】シュトラウスを上回る高評価 「緻密なプランに好感、期待は膨らむばかり」

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■ダノンマッキンリー

【中間調整】セレクトセール1歳において2億2000万円で落札され、前評判通りの2戦2勝とした同馬。9月4回阪神芝1400mの新馬を快勝し、2戦目も京都芝1400mの秋明菊賞を選択。好位抜け出しの初戦とは異なり出負けからじっくり後方で構え、直線大外から一気に弾け、2着馬に2馬身半差とこの距離としては圧勝の着差で制した。勝ち時計は1分20秒7と重賞クラス。

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2戦目のレースぶりで手応えを掴んだか、陣営はマイルGIに挑戦。短期放牧後はテンションを上げない程度の負荷で調整され、1週前には今回から手綱を握るC.ルメール騎手を背に栗東CWコースで追われ、4F58秒4-1F13秒3(馬なり)。時計を出すことより人馬のコンタクトを優先した。相変わらずハミ取りや口向きに課題を覗かせたが、鞍上が本番前に体験できた点は大きい。

【最終追い切り】14日木曜は福永祐一技術調教師を背に、再び栗東CWコースで追われ、4F53秒4-1F11秒2(馬なり)。道中しっかりとなだめながら直線に向き、軽く促されるとスイッチオン。レースで見せるようなこの馬特有の回転の速いフォームで鋭く伸びた。

【見解】先週まではテンションを上げないようソフト調整だったが、最終追いで最後の最後に見せたキレは躍動感に溢れ、目下の好調ぶりをアピール。福永技術調教師が道中の我慢から終いに活かす“緩急”を覚えさせつつ、1週前にはルメール騎手でコンタクトを取らせる。本番へ向け緻密なプランを組んでくる名門厩舎ならではのメニューには好感が持てる。過去に例のない初マイルでの2歳王者へ、期待は膨らむばかり。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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