【朝日杯FS/追い切り診断】想定“10人気”前後に激走予告の高評価 「精神面での完成度は一枚上」

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■オーサムストローク

【中間調整】夏の札幌芝1500mで3着、2着と勝ち上がれず、10月の4回中山芝1600mの未勝利で初勝利。好スタートからハナに立つと淡々としたペースを刻み、直線に向いてもうひと伸び。後続を5馬身突き放し逃げ切った。続く前走・ベゴニア賞は2番手追走から直線、残り400mで逃げ馬に並びかけ、残り300mで早くも先頭。イクイノックスの半妹ガルサブランカが直後に迫るも、最後まで譲らず半馬身差で振り切った。勝ち時計や着差以上に強い内容。

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レース後、陣営はオーナーと相談としたが、即座に目標を朝日杯フューチュリティSへ。7日木曜には助手を背に、美浦Wコースを単走で追われ、5F69秒9-1F12秒3(馬なり)と軽めも、走りに対する集中力の高さと、安定したバランスのいいフォームは目を引いた。

【最終追い切り】今回初コンビを組む坂井瑠星騎手が美浦へ駆けつけ、美浦Wコースの併せ馬を敢行。古馬2勝クラスにコーナーで外から並ぶと、頭が上がり気味の相手に対し、重心をグイッと沈めるフォームで悠々と先着した。

【見解】気性面において課題の多い今回のメンバーの中では、道中の折り合い、バランスのいい走法、鞍上との意思疎通ぶりを比較すると、その点は同馬が一枚上。精神面での完成度は高く、それでいてスッと好位を取れるレースセンスぶりは武器になる。中間はいずれも馬なりでも、中2週の関西遠征とは思えない、内容自体はしっかり攻め上げられ、目下の充実ぶりは確実。戦績に派手さがないぶん、ここは伏兵扱いとなるだろうが、侮れない1頭と言える。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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