自民党の”裏金疑惑”解明は…宮沢氏「一議員として出直す」地元に戻り決意語る 告白の動きは広がらず=静岡

静岡県内にも波紋が広がる自民党・安倍派の政治資金パーティーをめぐる裏金疑惑。派閥からの指示だと告白した宮沢博行衆議院議員は12月15日、地元の磐田市に戻り「一議員として出直す」と決意を語りました。

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15日午後、地元の磐田駅に姿を現した宮沢議員。

<自民党安倍派 宮沢博行衆議院議員>
Q.地元磐田に戻ってきた心境は?
「一議員として一から出直すつもりで有権者の皆さんにご挨拶周りをして行きたいと思っています」

自民党安倍派の政治資金パーティーをめぐる裏金疑惑について、派閥の指示を認める告白をした宮沢議員。

<自民党安倍派 宮沢博行衆議院議員>
「今となっては申し訳ないとしか言いようがありません」

宮沢議員は、前回の衆院選で静岡3区で落選し比例で復活しました。選挙での苦労を乗り越え宮沢議員は、2023年9月防衛副大臣に任命されましたが今回の裏金疑惑を経て事実上の更迭に。わずか3か月での辞任となりました。

<自民党安倍派 宮沢博行衆議院議員>
Q. 更迭への受け止めは?
「非常に心残りです。残念です。やり残したことはいっぱいあるんですけど」

安倍派の政治資金パーティーでは、所属する議員がパーティー券を売り、ノルマを超えた分はキックバックとして返されていました。宮沢議員は3年間で140万円のキックバックを受け、派閥の指示で収支報告書に記載していなかったことを明らかにしています。

<自民党安倍派 宮沢博行衆議院議員>
Q.記載しなくていいというのは会派のお達しだった?
「そうです。ことここ至ってはハッキリと申し上げます。いくら、かん口令が敷かれておりますけれども、これはもう各議員が正直言って、しゃべらないといけない段階に来ていると思う」

裏金づくりは派閥の指示だったとカメラの前で告白した「宮沢の乱」。

政治不信を払しょくする目的の勇気を振り絞った発言でしたが、これまでに宮沢議員と同様の発言をしたのは同時期に内閣を去った鈴木前総務大臣と堀井前内閣府副大臣のみ。告白の動きは広がっているとは言い難いのが実情です。

<宮沢博行衆院議員>
Q.告発後、堀井議員しか続いていないことについては?
「それは個々の議員が判断する問題だと思いますけど、やはり説明をしたいと思っている議員の方は説明してもいい時期に来ていると私は思っています」

一方、安倍派の座長を務める塩谷立衆議院議員はー

<自民党安倍派 塩谷立衆議院議員>
「今現在、精査中ですね。今、それぞれの捜査が進んでいる中でまだ具体的なことを申し上げる段階ではないと思っています」

塩谷議員は「政治不信を招いた」と謝罪しつつも、裏金疑惑については明言を避けたままです。

こうした状況の中、ほかの派閥の国会議員にキックバックについて尋ねるとー

<自民党二階派 細野豪志衆議院議員>
「二階派はノルマというか目標金額があった。上回って、ありがたいことに応援していただいて、売れた部分は、それは還付はいただいている、収支報告書に公開しているので、そ法律に基づいてやってきた。当然のことですから」

二階派の細野豪志衆議院議員は2年間で387万円のキックバックを受け取っていたものの、収支報告書に記載していたと説明しました。これは適法な会計処理となります。

まだまだ全容がつかめない自民党の裏金疑惑。東京地検特捜部は安倍派の議員本人にも聴取の要請を始めていて、議員側の認識も調べるものとみられます。

静岡県内選出の国会議員の衝撃的な告白によってさらに波紋が広がっています。SBSでは、県内選出の自民党の国会議員10人にキックバックについて、12月14日までにアンケート調査を行ないました。

「無し」「適正に処理」という回答が並ぶ中、注目は、安倍派の座長の塩谷議員の回答です。

口を開く議員がいる一方、口をつぐんだままの議員もいる状況が続けば、さらなる政治不信を招くことになります。責任ある立場の議員から、明確な説明と解決策が示される必要があります。

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