Ken Yokoyama、『Indian Burn Tour』開催決定! ジャケットアートワーク、特設サイト、Trailer映像公開!

先日リリースを発表したKen Yokoyamaの8th Full Album『Indian Burn』にまつわるレコ初ツアーが決定した。 『Indian Burn Tour』と題された本ツアーは来年2月16日(金)渋谷 Spotify O-EASTを皮切りに、15都市を廻るレコ発ツアーとなっている。 発表と同時に、SATANIC ENT.にてチケット先行を受付開始。

また、併せてジャケットアートワーク・特設サイトと、先にリリースしたシングルシリーズ全3作から、本作にも収録される表題曲3曲のMVをまとめたTrailer映像も公開。 特設サイトでは今後、MVやインタビューなどを随時公開予定とのこと。 ▼Ken Yokoyama 8th Full Album『Indian Burn』特設サイト

https://www.pizzaofdeath.com/ken8thalbum/

▼Ken Yokoyama 8th Full Album『Indian Burn』Trailer映像

https://youtu.be/k-VwbchDCn0?feature=shared

『Indian Burn Tour』作品概要

2023年、Ken Yokoyamaは全3作に及ぶシングルシリーズに取り組んだ。まず、5月に『Better Left Unsaid』を発表。そして、9月に『My One Wish』、11月に『These Magic Words』と2~3曲入りの作品を送り出した。かつて、横山健はアルバムというフォーマットにこだわった作品づくりを行っていたが、昨今の音楽業界を取り巻く環境や自身の心境の変化を受け、<作品>というバンドとしてのステートメントをパンクキッズと数多く共有するという手段を選んだ。それに伴い、彼らは5月には初めて日比谷野外大音楽堂でライブを行い、9月からは初の東名阪ホールツアーも敢行。来年でKen Yokoyamaとして活動をはじめて20年が経つが、2023年の今になっても初めて尽くしの1年を過ごしている。これは本人も想像していなかったことだろう。

シングルシリーズのスタートを宣言したとき、Ken Yokoyamaはこれがフルアルバムへの布石であるということを明らかにしており、順調に曲づくりが進んでいることも公表していた。そして、本シリーズの最終地点と言えるフルアルバム『Indian Burn』がついに到着したのだ。

まず、今作の収録曲を見て驚いたのは、シングルに収められていた曲すべてがアルバム入りしているわけではなく、表題曲だけが再収録されているということ。これはお金を払ってシングル盤を手にしてくれたファンに対するバンドからの敬意の現れだろうか。

それだけではなく、いまのKen Yokoyamaはいくらでもいい曲がつくれるという自信があるのだろう......と思っていたが、今作のアルバムタイトルに注目してほしい。『Indian Burn』とは、人の腕を雑巾のように絞ることを意味する。幼い頃に悪ふざけでやったことある人もいるのではないだろうか。つまり、今作は腕を絞り出すようになんとか生み出された楽曲で構成されているということ。

そのせいなのかはわからないが、今作にはどの曲を削っても成立しないような強さがある。たとえ自分たちが死んだとしても誰かの寄生虫として魂は生き残る、と歌う『Parasites』は今作を代表する強烈なステートメント。13年前に「Let The Beat Carry On」(アルバム『Four』収録)で伝えていたメッセージをより泥臭い形で突きつけてくる。一聴してすぐに横山の音だとわかる特徴的なギターフレーズと音色、そして何十年もシーンを牽引してきた2ビートが『Indian Burn』の扉を開ける。

「The Show Must Go On」はタイトルからしてすでに強い意志を感じるが、横山は<ズタズタに心が引き裂かれていても ガタガタになった体を引きずって たった数人しか 目の前にいなくても あいつのハートも連れて>(日本語訳)というメッセージをカラッとした8ビートに乗せて歌うのである。いくつになってもステージに立ち続けるという歌はこれまで数多くのバンドが残してきているが、今年54歳になった横山がそれを歌う覚悟を想像してみてほしい。彼の想いの強さに身震いがする。

一方、「A Little Bit Of Your Love」はまさに今作の産みの苦しみがうかがえる曲。<今夜は詞を書かなきゃいけないんだ 明日の朝までに書かなきゃ 間に合わないんだ>(日本語訳)と綴られているが、このミドルテンポの曲はアレンジ力がずば抜けている。シンプルでありながら、中盤で聴かせる展開には思わず拳を握る熱さがある。

今作はミドルテンポの曲、スカ、軽快なロックロールの存在が目立っており、サウンドの質感としては必ずしもヘヴィさや疾走感を重視したものではない。しかし、シングルシリーズですでに感じていたように、これまで以上に今の横山の生身がむき出しになっており、ズシリと重い。戦争や政治、その他諸々のクソの山をかき分けながら、「そのうちオッケーになる」と死にものぐるいでロックンロールを鳴らし、人生の最終コーナーを駆け抜ける。そんな彼の生き様は、「で、お前はどうなんだ?」とこちらに問いかけているようでブルッと震える。今、Ken Yokoyamaは彼らの音楽をキャッチしたリスナー一人ひとりと、これまで以上の真剣さで対峙している。

最後にシングルシリーズ3部作同様、今回のパッケージ盤にも初回盤が存在する。付属DVDには彼らの近年を追ったドキュメンタリーを収録。2024年でバンド結成20周年。改めてKen Yokoyamaというバンドとは何なのかを紐解く映像作品となっている。

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