ブギウギ第11週振りかえり・ワテより十も下や

歌い踊ることを心から愛するヒロインが、やがて戦後を代表するスター歌手となる姿を描く連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK朝ドラ)。12月16日の放送では、「ワテより十も下や」と題する第11週(12月11日〜15日放送)を振りかえる。

愛助(水上恒司)からの唐突な話の内容に驚くスズ子(趣里)(C)NHK

■ スズ子、巡業先で訪れた運命の出会い

昭和18年(1943年)、アメリカと日本の戦争に終わりが見えないなか、ヒロイン・スズ子(趣里)は「福来スズ子とその楽団」として全国を巡業していた。作曲家・羽鳥(草彅剛)が手掛けた『アイレ可愛や』も好評で、スズ子は相変わらず人気を博していた。

巡業で訪れた愛知のステージで歌うスズ子(趣里)(C)NHK

ある日、巡業で訪れていた愛知の劇場にスズ子の大ファンだという学生・村山愛助(水上恒司)が興行主に連れられて現れる。その姿にどこか亡き弟・六郎(黒崎煌代)の面影を感じ、スズ子は動揺する。

一行は公演を終えて宿泊先に到着するが、金庫番を任された付き人の小夜(富田望生)が宿泊代を紛失するというトラブルに見舞われる。パニックに陥った小夜は偶然その場に居合わせた愛助を疑うが、スズ子はトラブルに巻き込んだお詫びを込め、愛助を食事に誘うのだった。

緊張した表情でスズ子を見る村山愛助(水上恒司)(C)NHK

自己紹介を交えながら愛助と食事をともにしたスズ子たちは、翌日旅館を出ようとすると愛助が宿泊費を半分支払ってくれたことを知り驚く。申し訳なさを感じつつも次の巡業先である神戸へ向かうスズ子だったが、偶然愛助と同じ汽車に乗り合わせて再会する。

■ 学生さんの正体は、「村山興業」の御曹司

そこで、愛助が大阪にある日本随一の演芸会社「村山興業」の御曹司であることが明らかに。さらに紛失したと思われていたお金も小夜が隠し場所を忘れていただけという事実が発覚する。トラブルが一件落着し、スズ子はその場に居合わせた少女のために『故郷』を歌って車内が盛り上がるなか、愛助はその姿を真摯に見つめるのだった。

神戸での公演を終え、故郷の大阪に立ち寄ったスズ子は久しぶりに実家の銭湯「はな湯」を訪れる。スズ子たちから銭湯の経営を引き継いだゴンベエ(宇野祥平)と光子(本上まなみ)の間には子どもが産まれ、かかりつけ医だった熱々先生(妹尾和夫)は他界。そして常連客のアホのおっちゃん(岡部たかし)とのアサ(楠見薫)が結婚していたりと、互いの近況話に花を咲かせる。

久しぶりにはな湯に立ち寄り、ゴンベエや常連客たちの話を聞くスズ子(趣里)(C)NHK

さらにスズ子は、古巣の「梅丸少女歌劇団」の稽古場にも顔を出し、同期のリリー(清水くるみ)、桜庭(片山友希)、後輩の秋山(伊原六花)たち、そして林部長(橋本じゅん)と再会を喜び合う。ほどなくしてスズ子が東京に戻ると、下宿先には愛助からたくさんの手紙が届いていた。

そしてスズ子が帰る頃を見計らっていた愛助が下宿先を訪れ、「良い蓄音機を手に入れたので聴きに来ないか」と、スズ子を自宅に招待する。はじめは警戒していたスズ子だが、小夜も一緒でなら、という条件で受け入れるのだった。

■ 距離を縮めていく2人に、近づく謎の男

愛助の部屋は音楽などの資料でごった返しており、スズ子のレコードもたくさん収集していた。スズ子の魅力について語る愛助は、『ラッパと娘』の素晴らしさについて熱弁をふるう。帰り際、愛助はスズ子にまた会いたいと伝える。スズ子と愛助は二人で会うようになるのだが、怪しいスーツ姿の男がその様子を密かに見つめていた。スーツ姿の男の正体は村山興業の社員・坂口(黒田有)で、スズ子は坂口から二人の関係性をとがめられる。

スズ子(趣里)の歌の魅力を嬉しそうに話す愛助(水上恒司)(C)NHK

年の差を気にしたスズ子がそのことを愛助に伝えると、愛助から「恋人になってください」と言われるが、スズ子は一旦返事を保留する。マネージャーの五木(村上新悟)からは、「村山興業」を敵に回したくないので波風を立てるな、10歳も年下の相手に本気になるべきじゃないと交際を反対される。思い悩むスズ子に、小夜は悩みを聞こうと、伝蔵(坂田聡)のおでん屋台で話をすることにして・・・。

本作は、戦後「ブギの女王」として一世を風靡した歌手・笠置シヅ子さんをモデルに、歌の才能を開花させて上京したヒロインが、昭和を代表するスター歌手として激動の時代を生き抜いていく物語。土曜日の放送は、その週の振りかえり。

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