「自信を持ってパリの畳に」 五輪内定 柔道男子の永瀬貴規 母校・長崎日大高で壮行式

歓声と拍手の中、入場する永瀬(旭化成)=長崎日大高N・アリーナ

 来夏のパリ五輪への出場が決まった柔道男子81キロ級の永瀬貴規(30)=旭化成=が15日、母校の長崎日大高が諫早市の同校で開いた壮行式に出席し、全校生徒を前に「自信を持ってパリの畳に上がれるように、残り数カ月間を過ごしていきたい。みなさんの応援が原動力になっている」と意気込んだ。
 自身3度目の五輪。81キロ級は日本人が苦戦する傾向にある中、2016年リオデジャネイロ大会で銅メダル、21年東京大会で金メダルを獲得している。2大会連続優勝を目標に掲げており「3度も五輪の舞台に立てる喜び、日本代表の使命感、さまざまな感情がある」と心境を語った。
 式では、永瀬が在校生や教職員を相手に実演。背負い投げや内股をするたびに拍手と歓声が注がれた。事前に生徒たちに質問を募っており「夢の実現のためにやってきたことは」との問いには「夢を持ちつつ、目の前の一つずつの目標を立てるようにしていた。まだまだ先のことと思いがちだが、一つずつクリアすることで夢に近づく。夢と目標をどちらも立ててもらいたい」と答えていた。

◎「勝利にこだわる」

 現在、長崎県勢で唯一パリ五輪出場を確定させている柔道男子81キロ級の永瀬貴規(旭化成)に、現状と本番までの過ごし方を聞いた。

 -8月に内定した時の心境は。
 東京五輪を終えて2年。こんなに早い段階で内定をもらえてありがたい思いだった。ただ、東京五輪以来、大会で優勝できずに内定という形になったので、いろんな意見があるということも承知している。代表に選んでいただいたからには本番でしっかり結果を残すことに全集中する。
 -11カ月という準備期間をどう生かすか。
 逆算して強化できる時間をいただけた。代表選考が絡んだ試合があると、どうしても精神的に疲労が重なるので、本番に向けてやるべきことをやるというシンプルな気持ちになれた。来年7、8月にピークを持って行くのが大前提で、現状を知る一つの機会として試合も入れて課題や収穫も見つけながら次につなげる。そういった作業を続けていく。
 -代表内定後の初戦となった2日のグランドスラム東京では思わぬ3回戦敗退となった。
 試合の後に全日本スタッフや周囲の意見を聞いたり、映像を見返したりしながらいい時の柔道と少しずれている部分を確認できた。歯車がかみ合うように正していきたい。技術的な部分もまだまだ改善の余地がある。外国人選手と組む機会も増やす予定。
 -本番に向けて。
 パリ五輪で勝てば今までの時間は決して無駄じゃなかったと胸を張って言える。勝利にこだわっていきたいし、準備の段階で悔いだけは残らないように残り期間を過ごしていく。

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