知人女性の実体験「映画として見せたい」 足利市出身大美賀さん初監督作公開 下北沢で初日満員

映画「義父養父」が公開初日を迎え、トークショーで談笑する大美賀さん(左)と濱口さん=15日夜、東京都世田谷区

 足利市出身の大美賀均(おおみかひとし)さん(35)の初監督映画「義父養父」が15日、東京・下北沢のミニシアター「K2」で公開された。上映後のトークショーで「満員で初日を迎えられ感激。緊張した」と感謝した。

 大美賀さんの主演映画「悪は存在しない」監督の濱口竜介(はまぐちりゅうすけ)さん(45)とともに登場すると、会場は大きな拍手に包まれた。

 濱口さんは「ショットの一つ一つが素晴らしい。大きなスクリーンで映える」と称賛。「悪は-」撮影前に、制作段階で鑑賞し、「こういう作品を撮るのなら、主演をお願いできると思った」と起用の後押しとなったという。大美賀さんは「ありがとうございます。撮って良かった」と胸をなで下ろし、撮影技法や演出のこだわりなど“監督談義”に花を咲かせた。

 「義父養父」は大美賀さんの知人女性が母の5回目の再婚に伴い、その夫の兄の元へ養子に入った実体験をモチーフに中編として作り上げた。複雑な関係性を理解できずにいたが「映画として見せたい」と想像力を刺激され、題材にした。

 上映拡大に向けクラウドファンディングも行われ、当初の目標額120万円を大きく上回る約206万円(109人が支援)が集まった。大美賀さんは「栃木県内でも公開できたら」と意欲的に話した。

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