箱根より一足先に…飯能で市民ら“たすきリレー” 市の「古希」祝う動画を地元大学生が制作 月内に公開へ

動画やコースターを制作し新井重治市長(前列左から3人目)を訪問した駿河台大学の学生ら=11日午後、飯能市役所

 埼玉県飯能市の市制施行70周年を祝う動画を、駿河台大学(同市阿須)の学生が制作した。駅伝競走のようにたすきをリレーして市内の公共施設や観光スポットを回り、市民に祝いのメッセージを寄せ書きしてもらう内容だ。構想から半年余りをかけて完成させた。学生は70周年記念の木製コースターも制作し、市に贈った。

 動画を制作したのは、同大メディア情報学部の長谷憲一郎教授のゼミで学ぶ3年生11人。2024年1月1日に70周年を迎える同大の地元・飯能市を広く知ってもらおうと制作した。

 動画は3分半。学生たちがデザインした薄緑色のたすきに、市民が70周年への祝いのメッセージを寄せていく。同大を出発した学生たちは、飯能河原や飯能銀座商店街、学校など約15カ所をリレーして回り、最後に市役所で新井市長にたすきを手渡す。元CMディレクターの長谷教授の指導の下、今年4月から構想に着手。スマートフォン5台を使い、主に8月下旬に撮影した。

 たすきは「70周年おめでとう」「100周年に向けて頑張れ!」などの文言で埋められた。メッセージの多くは学生たちが現場で市民と交渉し、協力を得たという。

 学生11人と長谷教授は11日に市役所で新井市長と面会し、スクリーンで共に動画を鑑賞した。新井市長は「素晴らしいビデオを制作してもらった。これからのまちづくりをつないでいくということで70周年の記念の日を迎えられる」と話した。

 動画でナレーションを担当した篠佑冶さん(21)は「市民との出演交渉に苦労した。ナレーションのタイミングを合わせることも大変だった」と振り返り、「素晴らしい動画が完成し、貴重な経験になった」と語る。

 ゼミ長の石田大晴さん(21)は「飯能は自然が豊かだが、最近は想像以上に観光に力を入れていることが分かった」と、動画制作を通じての感想を語った。

 学生は地元産の木材「西川材」を材料に、市制施行70周年のロゴマークを焼き付けた直径約10センチのコースター約70個を作り、新井市長に手渡した。

 動画は11月に開かれた市制施行70周年記念式典で、会場となった市民会館のホワイエでも流された。市の担当者は「12月内に市のホームページなどにアップしたい」としている。

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