長崎歴文博で東洋文庫(東京)所蔵品展 有名な歴史的書物など100点 来年1月28日まで

内覧会で貴重な書物の展示に見入る関係者=長崎市、長崎歴史文化博物館

 長崎市立山1丁目の長崎歴史文化博物館で16日、特別展「知の大冒険-東洋文庫 名品の煌(きら)めき-」(同博物館など主催、長崎新聞社など後援)が開幕した。東洋学分野でアジア最大級の研究図書館「東洋文庫」(東京)が所蔵する、有名な歴史的書物や古文書、地図など約100点が並んでいる。来年1月28日まで。
 同文庫は三菱第3代社長の岩崎久弥が1924(大正13)年に設立。岩崎の蔵書や、当時のオーストラリア人ジャーナリストが収集した東洋関係文献の「モリソン文庫」など100万冊超を収蔵している。2011年に蔵書を展示するミュージアムを開設した。
 同展は22年から全国を巡回し、長崎は4カ所目。マルコ・ポーロが日本を「ジパング」として西洋に紹介した「東方見聞録」、「目には目を」で知られる「ハンムラビ法典」など、教科書にも載っている書物を展示。中国の詩文集を平安時代に書き写したという国宝「文選集注」も目を引く。
 18世紀のフランス王妃マリー・アントワネットが所蔵したと伝わる「イエズス会士書簡集」は、長崎の地図が掲載された部分を展示。江戸時代後期の出島オランダ商館医シーボルトの著書「日本」など、長崎ゆかりの展示物も数多い。
 開幕に先立ち15日に開会式が開かれ、同博物館の水嶋英治館長は「歴史的資料の数々を時代を超えて見ることができる機会はめったにない」とあいさつ。式典後の内覧会では、関係者らが展示に食い入るように見入っていた。
 観覧料は大人1300円、高校生700円、小中学生500円。18、28~31日と1月15、16日は休館。

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