生シラス丼ぶり
愛知県南知多町にある「師崎港」から高速船で約10分。知多半島の先端に浮かぶ離島・篠島は、天然のトラフグをはじめ、タイやカキなど絶品グルメの宝庫です。中でも漁獲量日本一を誇るのがシラスです。実はこのシラス、絶品な上にとても稼げるとのウワサがあるのです! さっそく、篠島に向かいます。
シラスは生活の一部?
一獲千金のシラス漁
篠島では、漁業関係者のうち6割がシラス漁に携わっています。生活と切っても切り離せない存在のシラス。シーズンになると、港にはかごいっぱいに入ったシラスが次々と水揚げされます。獲れたてのシラスを釜揚げ工場に搬入。茹でたシラスが一面に広げられ、天日干しされます。
篠島産シラスを100%使用! 「しらスリランカカレー」
しらスリランカカレー
シラスの漁獲量が日本一だけあって、お土産物売り場にもシラスの加工品がずらり! 「島の駅 SHINOJIMA」には、冷凍シラスやつくだ煮、ふりかけ、せんべいなどシラスを使った土産が並びます。
中でも驚きのアイテムが、篠島産シラスを100%使用した「しらスリランカカレー」です。カレーの中にシラスがたっぷりと入った缶詰カレー、意外な組み合わせですがこれが良く合うとお土産売り場の一番人気となっているそうです。
しらすトーストから考案された「しらすピザ」が大好評
釜上シラス丼
島の喫茶店「仁」の看板メニューも、注文が入るごとに生のシラスをゆで上げて作る「釜上シラス丼」。ゆでたてアツアツのシラス丼は、現地でなければ食べられない味です。
しらすピザ
2年前に篠島に開店したステーキハウス「篠島デューテラス」の人気メニュー「しらすピザ」は、篠島の漁師たちが食べている「しらすトースト」をヒントに考案されたもの。食パンにチーズをのせ、その上に釜揚げシラスをちりばめています。篠島ならではの漁師めしをピザにアレンジして提供したところ、そのおいしさにたちまち大好評となったそうです。
一番人気の「生シラス丼ぶり」
生シラス丼ぶり
篠島の憩いの場ともなっている「呑み食い処 おくらば」でも、さまざまなシラス料理を楽しめます。定番のシラスおろしや、中にも上にもシラスがたっぷりのったシラス玉子はもちろん、生のシラスをかきあげにした「生シラスの天ぷら」は産地でなければなかなか味わえないおいしさ。一番人気の「生シラス丼ぶり」は、漁がある日にしか提供されない鮮度抜群の一杯です。
シラスと野菜の天ぷら
さらに釣り船も営む店主の吉戸健さんが始めた食事処「ごはん家 BIHOUMARU」には、シラスと野菜の天ぷらや釜揚げシラス丼など、シラスメニューが盛りだくさん。なんとこのシラスも、吉戸さんが自ら獲ったものなので驚きです。
日当で20万円以上支払われることも
漁師「ギャンブルと一緒」
実は篠島では仕事をかけもちする人が多く、吉戸さんも食事処や釣り船を営みながらアルバイトでシラス漁に参加。豊漁だったときには、若い船員にも日当で20万円以上支払われることもあるそうです!
シラス漁のやり方とは?
かごに分けて入れる
篠島で行われるシラス漁は3艘の漁船がチームを組んで行うのが特徴。2艘で網を引き、網に入ったシラスを残りの船が引き上げます。3艘で連絡を取り合いながらレーダーで群れを探し、フォーメーションを組んで行われるシラス漁。水槽がたちまちいっぱいになるほど揚がったシラスは、鮮度が保たれるようにすぐさま氷で冷やして締められます。そして次々とかごに投入。
篠島のシラス漁は午前11時まで
この日は90かごを漁獲
篠島でのシラス漁は午前11時までと取り決められているそう。一獲千金を狙うには効率よく、仕事を進めることが不可欠です。この日はたくさんのシラスが獲れたこともあり、船の上は息つく暇なく大忙しです。
この日水揚げされたシラスは90かご。親方の板谷好文さんによれば、漁の経験によっても異なるものの、水揚げ高で100万円に届けば5万円ほどの日当が支払われるそうです。
「危険でしんどい」しかも獲れるかどうかはその日次第。きつい仕事ですが、それでも篠島の漁師たちは一獲千金を目指して、今日もシラス漁へと向かいます。