いつまで続く?“10年に一度レベル”の寒波 クリスマス過ぎまで厳寒続くおそれも 次のピーク20日頃から 気象庁「早期天候情報」発表で低温・大雪に注意呼びかけ

今回の“10年に一度レベル”の寒波 「第1波」ピークは18日(月)まで

平年より高めの気温だった先週の暖かさから一転、16日(土)後半からは冬型の気圧配置が急速に強まり、この冬一番の強い寒気が入ってきました。

17日(日)は全国的に平地でも雪の目安となる上空1500メートルで-6℃以下の寒気にスッポリ覆われ、西日本でも-9℃以下の強い寒気が流れこみました。

17日(日)午後の衛星画像では、日本海や黄海などには大陸からの強い寒気の吹き出しに伴う筋状の雲がビッシリ見られています。さらに日本海には特に雪雲が発達したJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)が明瞭になっています。

17日(日)全国各地から「初雪」の発表がありました。17日午後8時現在、九州・中国・四国・近畿・東海・北陸の以下の15府県の気象台から「初雪」観測の発表がありました。また18日(月)には九州からも初氷や初霜の観測発表がありました。

17日に「初雪」を観測
熊本・佐賀・長崎・大分・徳島・松山・広島・鳥取・和歌山・岐阜・彦根・名古屋・福井・富山・金沢

18日に「初氷」観測 宮崎・熊本・前橋・福井・新潟

18日に「初霜」観測 熊本

厳しい寒さいつまで? 次の「第2波」影響はクリスマスすぎるか

週間天気予報の支援図で、地上の気温を大きく左右する850hPa(上空1500メートル付近)の気温予想をみると、寒気の流れ込みには「2回のピーク」があることがわかります。

寒気流れ込みのピーク
1回目:17(日)~18(月) 2回目:20(水)~23(土)

特に西日本では平年よりも大幅に気温が低い寒気が流れこんでくる見込みです。上空の強い寒気が西回りで流れこんでくるためで、予想では上空1500メートルの気温は平年よりも10℃前後も低くなっています。

21日をピークに西日本の上空にも上空1500m付近で-12℃以下の非常に強い寒気が流れ込む予想です。この強さの寒気は真冬でもそう何度もないようなレベルの強さです。

そして西日本では強い寒気の影響が25日(月)のクリスマス頃まで続く可能性があります。2週間先までの気温予想にも使われる予想資料を見ると、西日本や沖縄・奄美では、5日間平均が来週まで平年よりも気温が低くなっている予想です。

第2波のピークは20日から23日ごろですが、西日本を中心にその後も平年よりは気温が低い真冬並みの寒さは続く可能性があります。

九州でも連日の雪マーク 西日本中心に厳しい寒さ続く

10日間予報を見ると、今回の寒波の2回目のピークでは、福岡や鹿児島でも予報に雪マークがついています。福岡や広島、松江では最高気温が5℃以下でかなり厳しい寒さとなります。

また来週にかけても西日本では最高気温が一ケタどまりの日も多くなっています。今回の寒波の2回目のピークは12月下旬としては“10年に一度レベル”の強さとされますが、寒気の影響が長引くことで5日間の平均が大きく下がることが10年に一度レベルにつながっているとみられます。

12月下旬としては著しい低温 平年の3.5倍以上の降雪も

14日午後、気象庁は全国各地に「低温に関する早期天候情報」「低温と大雪に関する早期天候情報」を発表したのは、これまで見てきたような平年よりかなり気温が低い寒気が、先週の時点である程度予想されていたためです。12月後半としては“10年に一度レベル”の寒さや大雪となることが見込まれていました。

低温及び大雪に関する早期天候情報
東北、関東甲信、北陸、東海、近畿、中国、

低温に関する早期天候情報
四国、九州北部(山口含む)、九州南部・奄美、沖縄

大雪に関する早期天候情報 北海道

この「早期天候情報」は、その時期としては “10年に一度レベル”しか起きないような著しい低温や高温、降雪量となる可能性が、いつもより高まっている時に注意を呼びかけるために出される情報です。その現象が予想される6日前までに発表されます。

気象庁は“10年に一度レベル”で起こる低温を「かなり低い」として表現します。それぞれの地方ごとの気温が「かなり低い」と表現する基準は、5日間平均気温との平年差が以下のような場合です。

各地方の「かなり低い」の基準 5日間平均気温の平年差 東北 -2.3℃以下 関東甲信-2.2℃以下 北陸 -2.6℃以下 東海 -2.2℃以下 近畿 -2.4℃以下 中国 -2.6℃以下 四国 -2.5℃以下 九州北部(山口含む) -2.6℃以下 九州南部・奄美 -2.6℃以下 沖縄 -2.5℃以下

各地方の「大雪」の基準 5日間降雪量平年比 北海道 144%以上
東北(日本海側) 207%以上 関東甲信 (長野県北部・群馬県北部) 226%以上 北陸 282%以上 東海(岐阜県山間部) 289%以上 近畿(日本海側) 350%以上 中国(山陰) 298%以上

「早期天候情報」が発表されるのは、5日間の「平均気温」や「降雪量」(6~14日先)が、「かなり低い」「大雪」となる確率が30%以上と見込まれる場合です。本来なら“10年に一度程度”の頻度しか起こらないものが「30%以上」の確率で起こると予想されるため、通常よりも3倍以上「かなり高い」状況が現れやすいと見込まれていることを意味しています。

全国各地の詳しい「早期天候情報」の内容はリンク先から

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