「一日も早く平和な日が来るよう祈るばかり」 京都・京丹後で戦没者追悼式

戦没者に献花し、祈りをささげる遺族たち(京丹後市峰山町・府丹後文化会館)

 京都府京丹後市の戦没者追悼式がこのほど、同市峰山町の京都府丹後文化会館であり、遺族ら211人が平和への誓いを新たにした。

 戦没者約3200柱に黙とうをささげ、中山泰市長が式辞で「戦争を知らない世代が大半を占めるようになった今こそ、その悲惨さと平和の尊さを次世代に語り継ぐことが大切」と述べた。

 遺族代表の野村朝子さん(81)=同市=は追悼の辞で、ニューギニア北西部のビアク島で戦死した父について「1歳の誕生日が過ぎたころ、父は1枚の召集令状で出征し、翌年の12月に亡くなった。姿も声も記憶がない。そんな家族が当時多くあった」と振り返った。

 続けて「今も戦争が絶えず、子どもをはじめ弱い立場の人が犠牲になっている。一日も早く平和な日が来るよう、祈るばかりです」と述べた。

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