心揺さぶる「歓喜の歌」 音文協50周年公演「第九・八千代獅子」

「歓喜の歌」を響かせた出演者=金沢歌劇座

 県音楽文化協会の創立50周年記念、第61回年末公演「第九交響曲・八千代獅子」(音文協年末公演実行委員会主催、北國新聞社など共催)は17日、金沢歌劇座で開かれ、石川フィルハーモニー交響楽団、県合唱協会合唱団など総勢約280人による壮大な「歓喜の歌」が観客の心を揺さぶった。

 指揮者の清水史広さんが、ベートーベンの「交響曲第九番」の苦悩から歓喜に至るまでの旋律を巧みにまとめ上げた。第4楽章では合唱団とソリストが「歓喜の歌」を響かせ、ステージの感動は最高潮に達した。

 ソリストにはソプラノの石川公美さん、メゾソプラノの鳥木弥生さん、テノールの糸賀修平さん、バリトンの原田勇雅さんが登場した。合唱には加賀藩祖前田利家の生誕地、名古屋市中川区の名古屋なかがわ第九合唱団や氷見第九合唱団も参加した。

 県音楽文化協会の創立50周年を記念して「八千代獅子」が披露された。県三曲協会、金沢邦楽アンサンブルが尺八と箏(こと)を演奏し、邦楽、洋楽、合唱のコラボレーションで観客を楽しませた。

 公演は旧市観光会館(現・金沢歌劇座)の開館を記念して1963(昭和38)年に始まり、年末の恒例行事として親しまれている。来年1月14日午後2時から、県立音楽堂コンサートホールで「荘厳ミサ曲・フィデリオ序曲」(北國新聞社共催)が開かれる。

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