●存続危機でチラシ、本紙報道
高岡御車山祭(みくるまやままつり)などで奉仕する子ども巫女(みこ)は17日までに、新たに児童1人が加わり、来春の祭りで祭祀舞(さいしまい)の基本人数となる4人がそろう見通しとなった。子ども巫女は希望者の減少で存続が危ぶまれていた。祭りを営む高岡関野神社(高岡市末広町)が小学校に配布したチラシや富山新聞の報道で、現在は市外からも希望する児童が見学に訪れるようになっており、神社側は祭り文化に関心を持つ子どもの増加に期待を寄せている。
高岡御車山祭は、高岡関野神社の春季例大祭で、ユネスコ(国連教育科学文化機関)無形文化遺産。
高岡関野神社には巫女がおらず、高校生らに巫女舞を指導する「歌舞倶楽部(くらぶ)」が2002年に設けられた。11年からは地元の子どもたちに祭りに触れてもらおうと、同倶楽部で児童向けに舞の稽古を行い、教えを受けた子ども巫女が、13年の御車山祭から4月30日の宵祭(よいまつり)と一部の山町、5月1日の大祭式で舞を奉納している。
●2年生2人も予定、見学
しかし、コロナ禍で舞う機会が減り、入部希望者が減少。今年4月時点で部員は小学6年生4人と4年生1人となり、来年度の子ども巫女は1人しかいなくなるため、神社は市内小学校にチラシを配るなどして参加を呼び掛け、4年生2人が加入した。
続けて、減少の危機を報じた富山新聞の記事を見て、祭りや巫女に関心を持った市内の4年生1人が新たに入部した。さらに高岡、砺波市の2年生2人が来春以降の入部を申し出てきた。市外からの入部希望は初めてとなる。
今月10日、高岡関野神社で子ども巫女の稽古納めが行われた。小学4年から中高生OGまで13人が正月奉仕の稽古に励み、入部希望の児童が見学に訪れた。
新たに入部した佐々野遥さん(高岡市下関小4年)は「舞が楽しそうだったし、自分も力になりたかった。御車山祭を見たことがないので参加できるのがうれしい」と話した。
神職の木津祐美子さん(58)は伝統を継承する希望者の増加を喜び、「子ども巫女をきっかけに将来、御車山祭や地元の祭り文化について考える機会があればうれしい」と語った。