映画「看護の人 花田ミキ」 ロケ地・佐井村で青森県内初試写会 五十嵐匠監督(青森市出身)ら出席

村民など多くの人が鑑賞した映画の完成披露試写会
上映後、出演した感想を述べるエキストラの村民ら=17日午後、佐井村のアルサス

 青森県で保健師として生涯をささげた弘前市出身の花田ミキさん(1914~2006年)をテーマに製作された映画「じょっぱり-看護の人花田ミキ」の完成披露試写会が17日、佐井村の津軽海峡文化館アルサスで開かれた。県内初披露で、2回にわたる上映を村民ら計約260人が鑑賞した。

 試写会には、作品を手がけた五十嵐匠(しょう)監督(65)=青森市出身=が出席。40年前に佐井村を訪れたエピソードを紹介し「(撮影地に)真っ先に脳裏に浮かんだのが佐井村。村がなければ映画は成立しなかった」とあいさつした。

 花田さんは戦時中、従軍看護師として負傷兵の治療に従事したほか、終戦後はポリオの集団感染から子どもを救うために奔走した。映画は、出会った患者の死を受け入れ、葛藤しながら青森県の看護教育の基礎を築いた花田さんの一生を描いた。

 作品にはエキストラとして多くの村民らが協力。村人役の宮野薫さん(68)は「映画に感動した。出演は貴重な経験だったので、冥土の土産にしたい」と笑顔で話した。

 青森市出身の俳優木野花さん、弘前市出身のタレントで元りんご娘の王林さん、深浦町出身の俳優草野とおるさんなど青森県出身のキャストも多数出演した。

 来年3月ごろ、青森、弘前、八戸の3市で上映会を行う方向で調整しており、全国公開は来年夏以降の予定。

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