青森県弘前市出身の現代美術家・奈良美智さんのトークイベントが17日、むつ市のむつ来さまい館で開かれた。県内外から120人が訪れ、奈良さんのこれまでの思い出や美術家としての思いに耳を傾けた。
青森市の県立美術館で開かれている奈良さんの個展「奈良美智: The Beginning Place(ザ ビギニング プレイス) ここから」(東奥日報社などでつくる実行委員会主催)に関連したイベントの一つ。奈良さんが近年、重要な活動場所の一つとしている北海道へ自身の車で向かう際に立ち寄るなど、むつ下北地域との関係性を深めていることからむつ市で開催した。
奈良さんは「今までとこれからのこと」と題し、これまでに行った旅や過去の作品展、今回の個展について語った。旅で訪れた北海道や台湾などで自身が撮影した写真を見せながら、「目に映った興味のあるものを『見る』のではなく、何も考えないでシャッターを切っていく。後で、何でこの写真を撮ったのか分析するのが楽しい」と振り返った。
今後については「何になりたいかと考えると、いろんなところで作品を発表し、友達の子どもが大きくなった時に海外旅行先でその作品を見てびっくりしてくれたらいいなと思う」と語った。
愛知県稲沢市から訪れた会社員棚橋めぐみさん(60)は「奈良さんのお話を間近で聞いて、人柄を感じることができてうれしかった」と感激した様子だった。