ヤナギの根で「ござ九」の建物が… 盛岡・景観維持へ解決策探る

中津川沿いに並ぶ3本のヤナギ。風情ある景観で市民らに親しまれてきた

 盛岡市紺屋町の中津川沿いに並ぶ3本のヤナギが成長し、雑貨店ござ九・森九商店(森理彦店主)の建物に影響を及ぼしている。路面が浮き上がるほど根は太くなり、塀には亀裂が生じ、瓦屋根の傷みも見られる。市は建物を景観重要建造物に指定しており、木を管理する担当課が対応を検討中だ。川沿いの風情ある光景が市民や観光客に親しまれてきただけに、店主は「何とかいい方法が見つかれば…」と複雑な胸中を明かす。

 中の橋上流の約50メートルの間に土蔵や塀が並び、その真下から建物の4階に達するヤナギ3本がそびえる。根が太くなったため、周辺の路面が3、4メートルにわたって浮き上がり、その影響か塀の一部には亀裂が走る。

 市道路管理課によると、ヤナギ3本が植えられた経緯や植樹年は不明。昨年には森店主や住民も交えて現地の確認を進めたが、具体的な対応はこれからだ。今野正明管理係長は「まずは枝葉の部分を対応し、状況を見ながらその先を考えたい。いずれにしても、景観に配慮した形で進めなければいけない」と慎重に解決策を探る。

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