日本サッカー界を支え続けた中村俊輔の引退試合には静岡県出身のレジェンドが続々と参加

サッカー元日本代表でジュビロ磐田などで活躍した中村俊輔さんの 引退試合が行われ、静岡県内出身の豪華なレジェンドたちも参加しました。

中村俊輔 17日
「引退試合ってなかなか、できるもんじゃないし、させてもらえるものでもないので、最後の感謝を伝える場所じゃないですか」

”魔法の左足”と世界から恐れられた日本サッカー界のレジェンド。

サッカー元日本代表、中村俊輔。

昨シーズンで26年の現役生活にピリオドをうち、17日豪華な面々に囲まれながら、引退試合が取り行われました。

中村俊輔選手 2017年 ジュビロ新体制発表
「ジュビロのために貢献、身を削ってでも貢献できるようにしたい」

大雪が降る中でも、スター選手の姿を一目見ようと、磐田市内の練習場にはこんなにも多くのファンがかけつけました。

移籍して早々、チームの中心として躍動。

代名詞のフリーキックや強烈なシュートで幾度となく勝利に貢献し、その年、ジュビロはJ1リーグ6位という好成績を収めました。

ジュビロに、およそ2年半在籍したのち、出身地である神奈川県の横浜FCに移籍。

昨シーズン限りで現役を引退しました。

そして、17日…。

(Q極楽とんぼ 加藤浩次さん)中村選手、今の気持ちをひと言お願いします。

中村俊輔:
「もう… 緊張してますよ。お客さんがこれだけいますし。下手なプレーできないなっていうのと。あとは感謝の気持ちを込めてプレーしたい」

超満員のスタジアムには、およそ1万5000人のファンが詰めかけました。

それもそのはず。

今回の試合は横浜FCフレンズと歴代の日本代表が集まったJ-DREAMSによる夢の一戦。

中村さんと親交が深い選手が出場し、日本のサッカー史を刻んできた豪華な面々が集まりました。

そこには、静岡県出身者の姿も…。

今シーズン限りで引退を表明した沼津市出身で旧清水商業高校出身の小野伸二選手や、清水東高校出身で元日本代表のフォワード・高原直泰選手。

ほかにも、旧清水商業高校出身で4大会連続ワールドカップ出場など日本代表の守護神を努めた川口能活さんや、清水東高校出身で元日本代表の内田篤人さんなど、静岡県民にはなじみ深い選手が多く参加しました。

さらに、キックオフ直前には、静岡市出身のあのレジェンドから…。

三浦知良選手:
「俊さん、改めまして現役お疲れ様でした。俊さんとは日本代表、横浜FCで一緒にプレーさせていただきました」

日本サッカー界の生き字引、静岡学園高校出身、”キング・カズ”こと三浦知良選手からのメッセージも。

前半、横浜FCフレンズの一員としてピッチに立った中村俊輔。

開始早々、チームはゴール前でフリーキックを獲得。

もちろんキッカーは中村俊輔、ゴールを守るのは中村が”師匠”と仰ぐ川口能活。

これを川口がファインセーブと思いきや、ボールがラインを割っていたとして、ゴール判定に。

師弟対決は中村に軍配があがります。

その後、前半27分には味方とのパス交換からエリア内に侵入。

軽やかなステップで相手をかわし追加点をあげます。

さらに、前半40分。

再びゴール前でフリーキックのチャンスを得ると、キッカーはもちろん、中村。

壁の上を超えた芸術的なフリーキックがゴール右隅に突き刺さり、
中村は前半だけでハットトリックと、大暴れ。

このまま前半終了かと思いきや…、44分。

コーナーキックのチャンスを獲得したJ-フレンズ。

ゴール前におもむろに上がってくる赤いユニフォームは、何とゴールキーパーの川口。

そして蹴ったボールの先には…、何と川口!!

ゴールキーパー川口の美しいダイビングヘッドで1点を返します。

中村も笑顔で、川口のスーパープレーを讃えます。

夢のような時間も残り半分。

後半、中村は日本代表として一緒に戦った仲間たちのいる「J―DREAMS」の白いユニフォームに身を包みました。

後半開始のカウントダウンを務めたのは、過去、清水エスパルスでプレーし、同じ日本代表として戦った岡崎慎司選手です。

シント=トロイデン 岡崎慎司 選手:
「会場に長友佑都、内田篤人がいると聞いているが、(中村選手)俊さんに一番可愛がられていたのは僕です。俊さんの方から2人にはそう言っていいただければありがたいです」

会場が笑いに包まれるなか始まった後半。

前半同様、中村は絶好調。

後半3分─

左足のミドルシュートでこの日、4点目を記録します。

さらに後半23分、フリーキックの機会を得るとキッカーはもちろん中村。

この日3点目のフリーキックでのゴールとなるか会場のボルテージが上がるなか、駆け寄った内田篤人の手にはスマホ。

「ピッチ上の動画撮影は禁止されています」

見事なゴールを動画に収めることはできるのか─

狙い済まされたシュートがゴールネットを揺らします。

”魔法の左足”は健在です。

ドリームマッチも残りわずか。

ファンがピッチ上に声援を送るなか、

後半46分、左サイドからパスを受け、中村─左足一閃。

そしてゴールの直後・・・

中村は前半・後半で3点ずつ、Wハットトリックを記録しました。

試合終了後に開かれた引退セレモニーでは─

中村俊輔さん:
「一緒に戦った監督、コーチ、スタッフ、サポーターの方々。
本当にかけがえのない自分に大切なものができました。本当にありがとうございました。」

日本サッカー界を支えたレジェンド選手の引退に、かつてのチームメイトからは─

内田篤人さん:
「やっぱりずっと憧れ。きょうもこれだけの人が俊さんのプレーを見て喜んでいたし、やっぱり中村俊輔っていう人は皆を幸せにしてくれるプレイヤーだなと思います」

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