新聞読んで「一日署長」 本社感想文コンクール入賞受け

一日署長就任を前に、制服を試着してポーズを決める三浦さん=清湖小

  ●津幡署、小6起用 内灘・清湖小三浦さん 20日就任、将来の夢は「白バイ隊員」

 新聞記事をきっかけに、内灘町清湖小6年の三浦歩乃果(ほのか)さん(12)が一日限定で憧れの警察官になる。11月、北國新聞社が主催する「新聞読んで」感想文コンクールに、捜査用似顔絵の講習会に関する記事の作文を出品した三浦さん。講習で女性警察官が講師を務めていたことから「夢が広がった」などと喜びをつづったところ佳作に選ばれ、津幡署から一日署長のオファーが届いた。20日の就任を前に三浦さんは「緊張するけど頑張りたい」と期待に胸を膨らませている。

 三浦さんが感想文の題材に選んだのは、7月21日付の北國新聞朝刊に掲載された捜査用似顔絵の講習会に関する記事。本社記者が講習会に参加し、似顔絵作りを体験してルポを書いた。三浦さんは「絵を描くことが好きなこと、そして警察の仕事に興味があるので、その記事を読んでみることにした」という。

  ●「女性も活躍できる」

 三浦さんは、講習会の講師が女性警察官だったことに注目したとし「警察官は男性が多いイメージだが、女性が活躍できる仕事があると思った」と記した。さらに、自分も似顔絵に挑戦したことを紹介し「見たことのない人だとえん筆が進まず、『こんな人いるのかな?』と記者さんの体験と重なった」などと率直な思いをつづった。

 また、三浦さんは実体験から「顔の細かいしわやほくろの位置などはえんぴつじゃないと表現できない」とし「だから、私は似顔絵捜査の仕事はなくなってほしくない」と指摘。最後は新聞について「今後デジタル化が進んでも、正確な情報を伝えてくれる新聞を私はたくさん読みたい」と締めくくった。

 三浦さんの作文を目にした津幡署員が感銘を受け、清湖小や三浦さんの母親に相談し、一日署長を務めることが決まった。同署ではレスリングで五輪2連覇を果たした津幡町出身の金城梨紗子選手や大相撲の大の里らが一日署長を務めたことがあるが、小学生が任命されるのは珍しいという。

  ●署員を激励へ

 20日、三浦さんは津幡署で荻田直樹署長から一日署長の任命を受けた後、年末年始特別警戒取り締まりに出動する署員を激励する。15日には学校で制服を試着し、「びっくりしたけど、すごくうれしい。将来は白バイに乗って犯人を捕まえたい」と笑顔で語った。

 母の弥生さんは「こんな貴重な経験は一生に一度だと思う」と喜び、津幡署の井口慎一郎生活安全課長は「警察官になりたいという夢をこれからも持ち続けてほしい」と話した。

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