フォード、新型マスタングGT3を走らせる5名のドライバーを追加発表。“移籍組”多数の強力布陣に

 フォード・パフォーマンスは12月16日、2024シーズンに世界のさまざまな選手権で新型マスタングGT3を走らせる5名のファクトリードライバーを追加発表した。

 現在新型GT3車両を開発中の“ブルー・オーバル”は、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTDプロ・プログラムや、WEC世界耐久選手権などのカスタマー・プログラムなどのために、クリストファー・ミース、フレデリック・バービシュ、ベン・バーカー、デニス・オルセン、アンディ・プリオールと契約したことを明らかにした。

 彼らは2023年10月に発表されていたハリー・ティンクネル、ジョーイ・ハンド、マイク・ロッケンフェラー、ディルク・ミュラーに加わり、9名からなる強力なファクトリー・プールを形成する。

 ミースとバービシュは、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで1月に開催されるウェザーテック選手権シーズンの開幕戦『ロレックス24(デイトナ24時間レース)』のフォード・マルチマチック・モータースポーツの2台体制を完成させる。

 ドイツ人ドライバーのミースは、ティンクネルとロッケンフェラーとともに64号車をドライブし、ベルギー人ドライバーのバービシュはハンド/ミュラー組に加わり65号車から出場する。

 バーカーは、WECでプロトン・コンペティションが走らせるLMGT3エントリーの1台をドライブする予定である一方、オルセンとプリオールの正確なプログラムは確認されていない。しかしながら、WECの活動やダイナミック・モータースポーツによるGTワールドチャレンジ・ヨーロッパのプログラムに加わる可能性もある。

 フォード・パフォーマンス・モータースポーツのグローバル・ディレクター、マーク・ラッシュブルックは次のようにコメントした。

「これはマスタングにとって非常に重要で特別な年だ。来年、我々はマスタングの60周年を祝い、マスタングのレースを世界的に拡大していく」

「マスタング・レーシングがブランドのアイコンたり得るには、最高でもっとも経験豊富なGTレーサーのラインアップが必要であり、9人のスポーツカー・ファクトリー・ドライバーたちはまさにそれを表している」

「マルチマチック・モータースポーツのパートナーと、最初のカスタマーチームであるプロトン・コンペティション、ダイナミックGTとともに、我々はもっとも象徴的なサーキットで世界最高のチームと戦う準備ができている。1月のデイトナでシーズンをスタートするのが待ちきれない」

 ミースとバービシュはともに、以前はアウディのGT3ラインアップにおける主力メンバーであったが、フォードに移籍する形となった。ふたりはニュルブルクリンク24時間レースで2度の優勝を経験しており、ミースはバサースト12時間レースでも2回優勝している。

 一方、バーカーとオルセンは長年ポルシェのファクトリードライバーを務めてきた。バーカーは主にGRレーシング(旧ガルフ・レーシング)とともにWECに出場し、オルセンはGTワールドチャレンジ・ヨーロッパやDTMなどのさまざまなシリーズをポルシェ911 GT3 Rで戦った。

 プリオールは以前、フォードGTのファクトリープログラムに参加していた。それ以前にはBMWで3つの世界タイトルを獲得し、ツーリングカーレースの主力として活躍していた。

2023年12月のIMSA公式テストでデイトナ・インターナショナル・スピードウェイを走行したフォード・マスタングGT3

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