世界ジュニア相撲女子で優勝、東九州龍谷高の矢口さん「次はシニアで」【大分県】

世界ジュニア大会で優勝した矢口愛利菜さん。相撲部では男子と一緒に稽古をしている=中津市の東九州龍谷高

 【中津】中津市の東九州龍谷高3年、矢口愛利菜(えりな)さん(18)が、世界ジュニア相撲選手権大会の女子の個人中量級と団体で優勝した。日本代表として初めて臨んだ大舞台で世界の猛者たちを次々と倒した。「次はシニア大会でも世界一を勝ち取りたい」と、さらなる高みを目指している。

 5月に東京であった全国大会で優勝し、日本代表に選ばれた。

 世界大会は10月7日、東京都立川市であった。個人中量級(60~75キロ)には、日本を含め、米国やブラジル、台湾など10の国・地域の代表が出場。矢口さんは初戦でポーランド代表に苦戦したものの、寄り倒しで勝つと、その後は波に乗って準決勝、決勝とも危なげなく勝利した。団体戦(3人)では先鋒としてチームを支え、優勝に貢献した。

 矢口さんは五つ年上で相撲をする姉の姿を見て、「自分も強くなりたい」と5歳で競技を始めた。小学6年まで地元の中津相撲教室に所属。中学校では相撲部がなかったため柔道部に入り、心身を鍛えた。

 高校の部活動では自分より体の大きい男子とも稽古を重ね、パワーを身に付けたという。佐藤一真監督(38)は「パワーのある海外選手にも力負けしない。組んだら敵がいないほどの実力がある」と評価する。

 矢口さんは「相撲は一瞬で勝敗が決まるシンプルな競技だけど、どう勝ちに持っていくのか、工夫ができるのが面白い。大学でも稽古を積み、もっと強くなりたい」と意気込んでいる。

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