宇宙飛行士若田さん宇都宮で講演 国際宇宙ステーションでの任務解説

参加者の質問に答える若田さん(左端)

 【宇都宮】宇宙飛行士の若田光一(わかたこういち)さんが講師を務めた「航空宇宙講演会」が13日、市文化会館で開かれた。会場とオンラインで計約840人が参加し、国際宇宙ステーション(ISS)での任務などを学んだ。

 県内の航空宇宙関連企業約80社でつくる栃木航空宇宙懇話会などが、地域住民に航空宇宙産業への理解を深めてもらおうと開催。

 若田さんは昨年10月~今年3月に滞在したISSでの任務や生活について、動画を交えて解説。今後のISS運用に不可欠な、新型太陽電池を設置するための架台取り付けに挑んだという。2日間、計14時間にわたる船外活動で取り付けを成功させ、「チームワークで何とか乗り切れてほっとした」と振り返った。

 質疑応答では「想定外の事態にどう対処したのか」「楽しかった時間は」などと質問が相次いだ。若田さんは「さまざまな想定で訓練を繰り返すことで、緊急時でも対応できるようになる」「食事が最も楽しかった。長期にわたる難しい任務で、チームが一つになるための大切な時間だった」と答えた。

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