青森県板柳町常海橋地区の住民有志でつくる「奉納の会」(成田竹五郎会長)が、年末に地元の常海橋八幡宮に奉納する「三十三俵」作りを地区の会館で進めている。
無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を願い、50年以上前から行われている同地区の伝統行事。コロナ禍を機に、奉納前に33個の俵と一緒に町内を練り歩くことは行わなくなったが、メンバーは「三十三俵作りは、板柳町内でここだけ」と語り、形を変えながらも、伝統を次代につないでいこうと奮闘している。
長さ60~70センチほどの俵は、板で作った円柱形の型に、編んだ稲わらを巻き付けて作る。今年は14日に作業を始め、19日に完成する予定だ。
会員は40~70代の14人で、作業は貴重な世代間交流の場になっている。コロナ禍で自粛していた、一日の作業終了後、みんなで杯を交わす「反省会」も昨年復活した。
「毎年、町民の健康を願いながら俵を作っている」と成田会長(78)。その横で、別のメンバーが「みんな、いろんな病を抱えながら」と付け加えると、明るい笑い声が響いた。