中心街の実証試験「みちニワ」、歩道拡大に半数以上賛同 青森・八戸市

1車線を規制して歩行者の滞在空間とした実証試験「みちニワ」=9月、八戸市三日町

 中心街で歩行者中心の空間づくりを目指す青森県八戸市は18日、同市の三日町と十三日町の国道340号を1車線規制し、人の滞在空間を設けた実証試験「みちニワ」(8月31日~9月11日)のアンケート結果を公表した。一部で渋滞が発生したが、商店主など沿道関係者や来場者はいずれも半数以上が「歩道を広げることは良い」と回答した。

 みちニワは通常3車線の一方通行を2車線に減らし、生まれた空間にベンチなどを設置。露店やキッチンカーが出店し、ライブなどのイベントも行われた。

 期間中は猛暑や雨天の日もあったが、三日町と十三日町の平日の歩行者通行量は試験前より1~2割程度増加。一方、平日の十三日町では断続的に渋滞し、朝の車両の通過時間は通常の約3.1倍だった。

 「人中心の空間がまちなかに増える」ことへの印象は、来場者の9割、沿道関係者の7割が「良い」「やや良い」と回答。「歩道が広がる」ことは、来場者の72.4%が「良い」「やや良い」としたが、沿道関係者は54.3%にとどまり、2割は「良くない」「やや良くない」と答えた。

 出店者13店への調査では、84.6%が「次回があれば出店したい」と前向きに回答した。

 市はアンケート結果を基に街路整備や空間使いの方向性を定める「ストリートデザインビジョン」を本年度中に策定する。市商工労働まちづくり部の工藤俊憲次長は「車道の車両を流しつつ、歩道の空間使いを盛り込んだビジョンにしたい」と語った。
 

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