「心霊スポット」侵入理由に恐喝「逮捕歴付くぞ」 容疑でユーチューバーら男女3人を逮捕

廃虚や心霊スポットとして話題になっているホテル跡地(19日午前7時、笠置町笠置)

 廃虚や心霊スポットとして話題になっている京都府笠置町のホテル跡地に立ち入ったことを理由に現金を脅し取ったとして、京都府警木津署は12月19日、恐喝と弁護士法違反の疑いで、大阪市東住吉区の会社員の男(32)と大阪府寝屋川市の40歳と30歳の夫婦を逮捕した。

 京都府警木津署によると、3人は共謀し、2023年8~9月、笠置町笠置の笠置観光ホテル跡地で、ホテル内に立ち入った20代の会社員ら4人に対して「不法侵入で前科が付くぞ」などと脅し、示談金として1人当たり30万円、計120万円を脅し取った疑い。

 容疑者らは屋外通路にセンサー付きカメラを設置していた。人が敷地内に入ってきたことが分かると駆け付けて「不法侵入」と指摘し、「民事訴訟にするか刑事事件にするか選んで」と迫り、その場で顔と身分証などを撮影した。後日、電話をかけて「顧問弁護士に相談した」などとかたって示談金名目で現金を要求していたという。

 会社員の男は容疑を認めているが、夫婦は「恐喝したつもりはない」「分からないこともある」と否認しているという。

 夫婦はユーチューバーとして活動していた。3人は7月末にホテル跡地の所有者から建物の管理などを請け負い、自分たちが運営するインターネットのサイトで、ホテル跡地を紹介する動画を配信していた。

 笠置観光ホテルは1990年ごろから休業していたとされる。現在は荒廃が進んで心霊スポットとして取り上げられ、一部の若者の間で話題になっていた。

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