白沢せんべい店、待望の再開 代替の岩手県産小麦を使い製造

「お客さまに申し訳ない気持ちでいっぱい」。安全が確認された代替の県産小麦で作った南部せんべいを補充する白沢紅子専務=18日、盛岡市紺屋町

 全農岩手県本部が製粉会社に販売した2022年産の県産ナンブコムギから基準値を超す「カビ毒」が検出された問題を受け、臨時休業していた盛岡市紺屋町の老舗白沢せんべい店(白沢一美津社長)が18日、営業を再開した。代替の県産小麦を使い製造した南部せんべいが十分にそろい、約20日ぶりに開店した。創業以来初の事態となったが、土産品としても人気がある伝統の味を再び県内外に届ける。

 空になっていた商品棚にごま、かぼちゃ、チーズなど全18種類の南部せんべいが勢ぞろいした。18日、心待ちにしていた常連客らが早速訪れ「再開おめでとう」「待ってました」などと買い求めた。

 同市加賀野の喫茶店経営村井康文さん(49)は「子どもの頃から来ている。観光客や修学旅行生も買いに来たり、地域のにぎわいを創出したりする店なので再開できて本当に良かった」と喜んだ。

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