自民党派閥の裏金疑惑に国民からの批判が強まる中、政治家個人のパーティーについては開催するか否かの判断が分かれています。
東海地方が地盤の国会議員の動向に注目しました。
(鈴木淳司前総務大臣:12月15日取材)
「この世界で(還流は)文化といえば変だが、その認識があったと思う」
「キックバックは文化」だという認識があったと発言した鈴木前総務大臣。
「衆議院議員 鈴木淳司君と語る会2023」と書かれた、このチラシ…。
これは東京都内のホテルを会場に開かれる予定だった、鈴木前総務大臣個人のいわゆる「政治資金パーティー」の案内です。
予定通りなら19日に開催されるはずでしたが…。
(「延期」を連絡する文書)
「諸般の事情により開催を延期させていただきます」
自身が所属する自民党最大派閥の安倍派が、政治資金パーティーをめぐる裏金疑惑の渦中にあり、個人レベルとはいうもののパーティーを開催しないことを先週末、急きょ決めました。
(報告:木下大記者)
「もしもパーティーの開催を決行していたとすれば、世間がどのような反応を示すのか鈴木さんの心が揺れ動いたことは想像に難くありません。自身の発言で物議を醸しましたが、今回はさすがにリスクを考慮した判断と言えます」
騒動の最中に“政治資金パーティー”開く議員も 支援者の反応は?
一方18日、愛知県豊田市内のホテルには続々と人が集まっていました。
ロビーには「八木哲也国政報告会」と書かれた案内が。
開いたのは衆議院・愛知11区選出で自民党無派閥の八木哲也議員です。
参加者に話を聞くと…。
(参加者)
「(会費は)1人、2万円」
これも会費2万円のいわゆる「政治資金パーティー」です。
パーティー会場には自民党の石破茂元幹事長や、片山さつき参議院議員の姿もありました。
それにしても、この騒動の最中に八木議員は、なぜ政治資金パーティーを開いたのでしょうか。
事務所に聞くと「収支報告書にきちんと記載しているし、直前に延期にしてしまうと、ご迷惑がかかるので開催した」ということでした。
パーティーに参加した支援者らは、どう思っているのでしょうか。
(支援者)
「(この問題の中)よくやったなというのはあるが。八木さんも信頼できる人なので、そこまで気にする必要ないのかなと」
「内心は、ちょっとあるが…。(Q:内心「大丈夫かな」と思っていた?)ええ、まぁ来た以上は」
「政治資金パーティー」自体は悪いものではありませんが、有権者から注がれる厳しいまなざし。
12月初旬に、自民党は各派閥のパーティーの開催を当面自粛することを決めましたが、議員個人のパーティー開催には制限をかけていません。
一方、公明党は「実態解明と再発防止策が確立されない段階で、資金集めをするのは有権者の理解を得られない」として、党や所属議員が開く政治資金パーティーを当面自粛する方針。
また、立憲民主党は来年5月をめどに計画していた党の政治資金パーティーを中止すると表明していて、各党が難しい判断を迫られています。