派閥事務所に強制捜査「致し方ないこと、進めていただければ」自民党“裏金疑惑”困惑に謝罪も…捜査の手はどこまで伸びる?=静岡

自民党の派閥による政治資金パーティーの裏金疑惑をめぐり、ついに検察の強制捜査が始まりました。東京地検特捜部は、安倍派と二階派の東京にある事務所に家宅捜索に入りました。深まる疑惑について、静岡県内の自民党からは、困惑の声が聞かれ、謝罪もありました。

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<自民党・安倍派 宮沢博行衆院議員>
「致し方ないことだと思う。進めていただければ」

12月19日朝、地元の静岡県磐田市で複雑な胸中を明かしたのは、自民党の裏金疑惑について告白した宮沢博行衆議院議員です。

その疑惑についに強制捜査のメスが入りました。

<記者>
「午前10時です。東京地検特捜部の係官が安倍派の事務所に家宅捜索に入りました」

19日午前、東京地検特捜部は宮沢議員が所属している自民党・安倍派の事務所に家宅捜索に入りました。

安倍派の政治資金パーティーをめぐっては、各議員側が集めたパーティー券の収入が割り当てられたノルマを超えると派閥側から議員側に払い戻されるなどのキックバックがあり、この一部を政治資金収支報告書に記載せずに裏金にしていた疑いが浮上しています。

<自民党・安倍派 宮沢博行衆院議員>
「派閥の方からかつて収支報告書に記載しなくて良いと指示があった。大丈夫かなとは思ったけれど、これで長年やってきているんだったら適法かなと」

キックバックを収支報告書に記載しなかったことについて、派閥の指示だったと宮沢議員が明言しているほか、特捜部の調べに対し、安倍派の会計責任者が認める説明をしていることがわかっています。

<山口駿平記者>
「きょう、都内の安倍派の事務所に家宅捜索が入りましたが、こちら派閥のトップ塩谷立議員の事務所では、いまだ動きがありません」

一方、静かだったのは、浜松市にある安倍派のトップ塩谷立座長の事務所です。塩谷座長は、収支報告書にキックバックを記載していなかったとみられますが、疑惑については「精査中」と繰り返し、これまで明確な説明をしていません。

<記者>
「午前10時です。東京地検特捜部の係官10人ほどが家宅捜索に入ります」

この問題をめぐっては、自民党・二階派の事務所にも強制捜査が入りました。特捜部は2つの派閥について事務所の資料を押収し全容の解明を進めるものとみられます。

裏金疑惑によって深まる政治不信。自民党静岡県連は謝罪した上で再発防止に言及しました。

<自民党県連 増田享大幹事長>
「非常に大きな政治不信を招いてしまっているかと思います。こんなことは、二度とあってはならないと思っているので、そういったことは党をあげてやっていかないといけないと思っている」

与党の最大派閥安倍派の事務所に家宅捜索が入るという異例の事態に。派閥の指示を告白した宮沢議員は、今後の日本の政治について、次のように語りました。

<自民党・安倍派 宮沢博行衆院議員>
Q.強制捜査で日本の政治は変わると思う?
「それだけじゃ変わらないと思う。やっぱりルールを守るという精神をきちんと再構築すること、ものをはっきり言う議員が増えていく、この二つがないと変わらない。それを信念として頑張っていきたい」

捜査の手はどこまで伸びるのか。東京地検特捜部は、事務職員や議員側が事態をどこまで認識していたのかなど、調べを進める方針です。

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