静岡大学「合意書の範囲内」浜松医科大学「いくら何でもいかがなものか」 “膠着状態”の統合再編問題 両学長が参加して協議会開催

膠着状態に陥っている静岡大学と浜松医科大学の統合再編問題。12月19日は、両大学の学長も参加する協議会が開かれました。

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<静岡大学 日詰一幸学長>
Q.日詰学長、きょうは浜医との合意はどのように取り付ける予定でしょうか?「・・・・・・」

静岡大学と浜松医科大学の執行部が集まった連携協議会。議題は膠着状態に陥っている統合再編問題です。

<浜松医科大学 今野弘之学長>
Q. 今野学長、きょうは2校案に対してはどのような姿勢で臨まれますか?
「ご説明を聞いて、ということになると思います」

静岡大学と浜松医科大学の統合・再編をめぐっては2019年、2つの法人を統合し静岡地区と浜松地区に新しい大学をつくる「1法人2大学」案で合意。特に、浜松地区の新大学では、工学部と情報学部のある静大・浜松キャンパスと浜松医科大の“理系の連携”が期待されていました。

ところが、合意後に静大のトップとなった日詰学長は「静大としての学部が減ってブランド力が落ちる」といった静岡キャンパス側の根強い反対論を汲み取る形で、合意書の2大学ではなく、1つの大学に2つの分校を置く「1大学2校」案を提案。あくまで1つの大学にこだわりを見せています。

合意から4年以上が経った今も結論は出ないまま。浜医は静大に対して、合意書の内容を守るよう再三伝えていますが、日詰学長は12月19日、改めて「1大学2校」案の意義を説明したということです。

これに対して、浜医の今野学長はー

<浜松医科大学 今野弘之学長>
「普通に受け止めればあれは…多分皆さんもそう思ってらっしゃると思いますが、基本的には合意書から2校案は外れていると思いますし、我々に全く通知がないまま、このまま成案にされるのはいくら何でもいかがなものかと、ご説明をお願いするということと成案化はぜひおやめいただきたいと、お願いしたいと」

日詰学長は「1大学2校」案は、4年前の合意書の“範囲内”と主張し、浜医側は無理があるとして考え直すよう求めたということです。

<静岡大学 日詰一幸学長>
「我々としては、できれば我々の考え方をぜひ聞いていただくということを期待しています」

12月6日に開かれた浜松市や地元経済界が主導する期成同盟会では、日詰学長は欠席したものの、静大浜松キャンパスの部局長3人が出席し、浜松キャンパスでは、日詰学長を中心に推し進める「1大学2校案」に反対意見があることを説明。「文系の静岡側」と「理系の浜松側」といった対立の構図が浮き彫りになっています。

終了後に取材に応じた静大浜松キャンパスに拠点を置く副学長はー

<静岡大学 川田善正副学長>
「大学が出している案なので批判するのは難しいところはあるんですけど、いろいろもうちょっといろいろ内容について議論してもいいかなという所はあるかなと思います」

静大の中でも意見が割れている大学の再編問題。21日に行われる静大の役員会で、日詰学長の提案する「1大学2校」案を大学の正式な案とするかが議論されます。

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