「バカ塗りの娘」仏の現代日本映画祭で最高賞 鶴岡慧子監督「津軽塗パリで紹介できた」

KINOTAYO映画祭の受賞式で写真に納まる鶴岡監督(左から4人目)ら

 津軽塗をテーマに今秋公開された映画「バカ塗りの娘」が、フランスで行われた「KINOTAYO現代日本映画祭」のコンペティション部門で、観客投票によって選ぶ最高賞の「ソレイユ・ドール(金の太陽)賞」を受賞した。パリで行われた受賞式に参加した鶴岡慧子監督は「津軽塗から教えてもらった人間の営みの素晴らしさをパリの観客に紹介できたこと、素晴らしい賞に結びついたことが心からうれしい」と東奥日報にコメントを寄せた。

 同映画祭はフランスでの現代日本映画の普及を目的に2006年に始まり、今年で17回目。今年のコンペティション部門には、制作から18カ月以内の新作の中から9作品がノミネートされた。このうち高齢者売春クラブの問題を取り上げた「茶飲友達」がグランプリ、宮沢賢治とその家族を描いた「銀河鉄道の父」が審査員賞を受賞した。

 ソレイユ・ドール賞は、過去に上田慎一郎監督の長編映画「カメラを止めるな!」(18年)や二宮和也さん主演の「浅田家!」(22年)が受賞している。いずれも受賞後にフランス国内で劇場公開され話題となった。バカ塗りの娘も今後、同国内で一般公開される可能性がありそうだ。

 このほか主演の堀田真由さんが今月上旬に発表となった「第45回ヨコハマ映画祭」で最優秀新人賞を受賞。来年2月4日に横浜市の関内ホールで表彰式が行われる。

 バカ塗りの娘の県内公開はすでに終了したが、弘前市のイオンシネマ弘前が再上映を検討している。DVDとブルーレイは同28日に発売予定。

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