天文台秘話、時を超えラジオドラマに IBC「計算の神様」25日放送

昭和初期に撮影された緯度観測所の集合写真。前列左端が飯坂タミ子(国立天文台蔵、国立科学博物館の馬場幸栄さん提供)

 IBC岩手放送(盛岡市、真下卓也社長)は25日、開局70周年記念ラジオドラマ「計算の神様」を放送する。奥州市水沢の緯度観測所(現・国立天文台水沢VLBI観測所)で計算係として働いた実在の女性をモデルに描いたファンタジー作品。盛岡市出身の俳優土村芳(かほ)さんが出演し、作・演出を同市ゆかりの劇作家、演出家詩森(しもり)ろばさんが手がけた。

 主人公はポストドクター(ポスドク)として研究を続ける現代の天文学者。勤務先での再契約の不安を抱えて水沢を訪れ、風の又三郎が吹かせた風で昭和初期の緯度観測所にタイムスリップしてしまう。そこで実在の人物である計算係の飯坂タミ子と3代目所長の池田徹郎に出会うストーリーだ。

 タミ子を土村さんが演じ、主人公を貫地谷しほりさん、池田所長を相島一之さんが担当。詩森さんは宮沢賢治作品の要素を交えつつ、ポスドクや女性の待遇格差など現代に通じる問題も盛り込んだ。

 放送は午後8時から同9時半まで。

(左から)詩森ろばさん、土村芳さん(IBC岩手放送提供)

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