2023年の最後を締めくくる主要な流星群「こぐま座流星群」。オススメの観測時間や方角、観測が期待できる流れ星の数などを国立天文台などの情報を基にまとめた。
こぐま座流星群とは
毎年、12月下旬に活発になる小規模の流星群。放射点が北極星に近く一晩中観測できる。時折、流星出現が活発化する年もある。母天体は太陽の周りを約14年の周期で公転するタットル彗星（8P/タットル）。
こぐま座の見つけ方
こぐま座流星群の放射点（流星群の流星がそこから放射状に出現するように見える点）はこぐま座にある。こぐま座を見つけるには、まず北極星（ポラリス）を見つけよう。北極星は、おおぐま座の北斗七星から探し出すことができる。北斗七星のひしゃくになっている先のふたつの星を結び、それが伸びる方向に約5倍、線を延ばしてみると、こぐま座の尻尾で輝く北極星を見つけることができる。おおぐま座に向かい合うように星が並び、こぐま座全体は小さな北斗七星のようにひしゃくの形をしている。
出現期間
12月18～24日。もともと出現数がそれほど多くないため、流星群の活動がピークとなる「極大」期以外に観測するのは難しそうだ。
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オススメの観測時間
極大は12月23日午後1時の予想。極大が日中になるため、22日夜から23日の夜明けと23日夜から24日の夜明けがオススメだ。放射点が北極星に近く、一晩中観測できるが、午前0時以降の深夜の方が放射点が高くなるため、観察しやすそう。ただし午前2時ごろまで月明かりの影響を受ける。月に背を向けたり、月が雲隠れするタイミングを見つけたりしてトライしよう。月明かりを避けて明け方に観察するのも一手だ。また、極大とは別に22日午後11時から午前2時台にかけて流星の活動レベルが高まる（流星数が増える）と予想する研究者もおり、注意したい。
観測が期待できる流星数
もともと出現数の少ない流星群なので、1時間に1～数個見られたらラッキーという気持ちで気長に待つのが良さそう。極大付近の時間帯でも1時間当たり5個程度の予想。
流れ星が見える方角は
流れ星は、放射点のあるところにだけ出現するのではなく、夜空のどこにでも現れる。そのため、放射点の方向にはこだわらず、空の広い範囲に注意を向けるようにしよう。空を広く見渡しているほうが、より多くの流星を捉えられる可能性が高くなる。そのため、街灯など人工の明かりが少なく、空が広く見渡せる場所を選ぶとよい。
観測のポイント
明るい屋内から屋外に出てすぐには目が暗さに慣れていないほか、都市部ではそれほどたくさんの流星が見えるわけではないので、最低でも15分間程度は観察を続けてみよう。
望遠鏡や双眼鏡を使用すると、見える範囲が狭くなるため、かえって観察がしにくくなるため、肉眼で観察しよう。できれば、星座早見盤があると、放射点の位置を確認したり、流星観察の合間に星座や星を楽しんだりするのに便利だ。
レジャーシートや背もたれが傾けられる椅子などを用意して、寝転がったまま観察できる準備をしておくと、楽に観察を続けることができる。この時期最も重要なのは防寒対策。防寒着や寝袋、ホッカイロなど寒さ対策を十分して無理せず観測に臨もう。
